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小川一水「時砂の王」

小川一水強化月間完結編。
「じさのおう」と読むのかと思ってたら、「ときすなのおう」だった。
いや~これを最後にしてよかった。これが一番よかった。
内容は結構複雑…というか、タイムトラベルものって、どうしてもその理屈に関わってくるので、話が混乱しがちなんだよね。
ただ「時砂~」はタイムパラドックスについても、理由はわからないとはっきり開き直っているので、かえってそれで納得できた。
変にこじつけられると余計に訳がわからなくなってくるので。
ETと呼ばれる謎の生命体によって、壊滅の危機にさらされている地球。
「知的生命体」(アンドロイドみたいなものか?)として生まれたオーヴィルは、「メッセンジャー」として時代をさかのぼり、そのときどきの人類たちと結束して、ETを排除しようとする。
だが、ETたちの介入はどんどん時代をさかのぼり、とうとう分岐点たる卑弥呼の時代へ。
卑弥呼として生きる彌与は、オーヴィルの助けを借りて、ETたちと戦うのだが…。
この彌与の造形が非常に魅力的。カリスマなのだが、人としての情を失わない。そしてタフ。
オーヴィルもすごくいいキャラなんだけどね…昔の女をいつまでもひきずっているのがなあ…。
いや、それがオーヴィルの戦う原動力となっているから否定もできないんだけど、でも読み手としては彌与に感情移入しているわけだから、結構昔の女の存在はうざい。←鬼?
大団円といってもいい終わり方なんだけども、なんか切なくて最後泣けた。
本読んでうるっときたのも久しぶりだわ。
これは今のところ、小川一水の作品の中でも一番かなあ。

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