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恩田陸「猫と針」

作家が脚本を書くことの難しさをひしひしと感じた。
今、人気のある脚本家って、大体「劇団」として芝居の脚本を書いてきた人たちなんだよね。
三谷幸喜とか宮藤官九郎とか。
それが何が違うかっていうと、「動き」なんだと思う。
うちの愚弟も大学時代に学生演劇をやってたからわかるんだけど、実際に演技をしたことのない人間がいきなり脚本だけ書こうとすると、どうしても「台詞だけ」になっちゃうんだよ。
そこに人間の動きが感じられない。
この「猫と針」も、密室劇ということでそれほど動きは必要ないんだけど、見事に「台詞の応酬」だけになってしまった。
キャラメルボックスがどう上演したのかは知らないけれど、微妙にわかりづらい話だったんじゃないかという気がする。
小説としてはかなり短い話だけど、芝居として上演するとそれなりの長さになってしまって、結局それはストーリーを盛り上げるのに十分な長さが足りないということにつながるわけで。
最後急に話がとんとんと片付いてしまって、カタルシスが足らなかった。
作者本人が「書いててぞっとした」というシーンも、文章としてはそうかもしれないけど、台詞としてはややインパクトに欠けるのでは…。

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