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北村薫「鷺と雪」

ベッキーさんシリーズ第3弾。
これで完結ってほんと?なんか終わったような終わってないような…。
格式ある実業家の娘として生まれた英子。
いろいろな事情により、女だてらに運転手をしているベッキーさんとともに、日常に潜むさまざまな謎を解き明かす。
まあいわば「私」シリーズの戦前バージョンといったところか。
思えば、「私」シリーズの主人公はあまりにもいい子すぎた。
まだ北村薫が覆面作家だったときに、文章の繊細さから「女性かな」と思っていたのだが、よくよく考えてみると、こんなに「いい子ちゃん」な女主人公を女性作家が登場させるわけがないのだった。
しかし、いい子ちゃんな「私」も、戦前という時代背景の中だと、すごくすんなり収まる。
物質的には十分恵まれていながらも、そうでないものたちへのまなざしを忘れない英子にはなかなか好感が持てる。
というか、純粋にうらやましい。
運転手つきの車でご登校だなんて。
もちろん、ベッキーさんの謎めいたキャラクターも魅力なんだけど、謎めきすぎてイマイチ感情移入できず。
今回はさすがにもうちょっと本性をあらわにするかと思いきや、期待したほどではなかった。
そして思っていた通り、三部作の様々な伏線が「2・26事件」に集約されるのだった。
この先は読んでも楽しくないだろうな…とは思うのだが、もうちょっとベッキーさん&英子のコンビを見ていたかった。

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