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森見登美彦「恋文の技術」

わりとよくある書簡体小説…なのだが、これが普通と違うのは、常に一方通行だということ。
辺境の地でクラゲの研究にいそしむ守田一郎なる学生が、友人や先輩や妹たちに次々と手紙を送る。
その手紙の内容だけで、彼らの春から秋にかけての出来事がわかるという。
ん~やっぱ好きだわ、この人の文章。
書簡体小説ということでは、この間真保裕一の本を読んだところだが、ストーリーをそれだけで語るとなると、どーしても無理が出てくるんだよね。
本来の手紙には絶対にない「会話」なんかが入ってきたりする。
しかし、この本はそういうズルは全くなし。
一方通行の手紙だけでも、往復の手紙の内容がよく伝わってくる。
そして「恋文」というだけあって、モリタイリローくんの淡い恋心も行間から伝わってくるのだった。
常にイチローくんは蚊帳の外…と思いきや、最後の最後で彼が仕掛けた計画というのがなかなか面白い。
ついつい応援したくなるのだった。

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