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貴志祐介「新世界より」

設定はかなりものすごく大事(おおごと)なのだが、ちょっと小さくまとまってしまったSF大作(?)という感じ。
人類が「呪力」という名の超能力を身につけているはるか未来の地球。
子供たちはまるで昭和初期のような自然にあふれる環境で、大人たちに見守られながら(実際は監視されながら)のびのびと生活している。
ある日、行き過ぎた冒険の果てに、旧時代の「図書館」と遭遇してしまった子供たちは、自分たち人類のおぞましい過去を知ってしまう。
その影響で歪みを生じはじめた子供たちは、一人また一人と欠けていき…。
ここまでが上巻。
なんだかイヤーな展開ながら、ものすごいカタルシスを期待していたのだが、正直期待はずれというのか…。
後半はほとんど、「バケネズミ」というネズミのお化けみたいな集団との戦争に終始してしまっている。
このバケネズミもまあいろいろと背景があるのだが、それはさておき、結局のところ一部地域の小競り合いみたいな感じで終わってしまったのが残念。
人類滅亡の危機!みたいな演出を狙ったんだろうが、どう見てもそこまで大げさな展開ではなく。
「呪力」を手にするというのが、すなわち「誰でも念じるだけで殺せる」ことにつながるという発想はなかなか面白いのだが、設定にこだわりすぎて世界が広がらなかったような。
やっぱりダン・シモンズみたいな訳にはいかないか…。

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