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遠藤徹「ネル」

これは…ものすごい大作なのかもしれない。
いわゆるメタファンタジーで、ネルという少年が、突然魂をなくしてしまった両親を元に戻すために、しゃべる桃と巨人をお供に冒険の旅に出る、というのが大枠の物語なのだが、ネルが冒険するのは物語の世界で、またその物語の世界の中で別の物語が語られ、その物語の中でまた別の物語が語られ…と言う風に、マトリョーシカ人形状態になっているのだった。
とにかく、純粋に物語の数をカウントしたら百ぐらいあるんじゃないかっつーぐらい、小さな物語からもっと重要な物語まで、ちくちくちくちく語られるのだった。
一見「ただの物語」に見えたものも、後半になってくるとネルの冒険に直接関係してきたりするので、なかなか気が抜けない。
まあ全体としては他愛のない話なんだけど、よくもまあここまで物語を思いつくよ。
それだけでも褒めてあげたい。
後半は「ネバーエンディングストーリー」っぽく、読者も引き込んで物語世界の再構築をはかるわけだが、まあちょっとあざといというか、読めてしまう部分もあるにしろ、読後感はよかった。
とにかく、これを書くことでものすごーく労力を使っただろうなあ…といういたわりの気持ちがわいてくる。

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