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上橋菜穂子「獣の奏者 探求編・完結編」

ものすごく読みたいけど、絶対読みたくないという…複雑な思いで読破。
以下、ネタバレ含みますのでご注意ください。

そもそも、闘蛇編・王獣編を読んだとき、「少しでいいから続きを!」とこいねがった私だが、ほんとに少しでよかったのに…。
がっつり続きを書かれてしまい、そして完結。
あ~あ。
しかも、続きが私の苦手とする「次世代」含みで。
次世代って、要するに息子なんだが。
この息子のジェシというのがなあ~。エリンとイオルが結ばれたのはいいとして、その結ばれるまでのもどかしい過程とかをじっくり読ませてほしかったのに、そんなのすっ飛ばしていきなり11年後。
子どもがまた2人に似ないでおしゃべりな生意気なガキなんだよ~。参ったぜ。
上橋菜穂子の作品の何がいいって、こういう典型的な「ガキ」が登場しないところだったのに…。
まああんまり大人しい子どもだとエリンとキャラがかぶってしまうし、話にめりはりがなくなるというのはわかる。
わかるけれども、個人的にこういう子どもは苦手です…。
あとがきにもあったけど、闘蛇編・王獣編はエリンとリランの物語だったのに、今回の二冊はエリンとその周囲の人々と、闘蛇と王獣の物語へと、大きく膨れ上がってしまったのだね。
だから、エリンに心を寄せている読者は物足りなさを感じることになる。
確かに、前のときに明かされていない謎が残っているな~とは思ったんだけど、それはそれとして、物語はきれいに完結していたから気にはならなかったのに、今回はその謎解きが主眼になってしまったために、エリンの心情が置き去りに…。
まあ物語が主人公に都合よく進まないのも上橋作品のいいところではあるんだけど…。
それにしてもエリンの最期は哀しすぎるよ…。そしてリランまで…。
まったく何の犠牲もない完結はありえないと思っていたから、てっきりイオルがそうなるのかなあと思ってたら、まさかエリンだったとは…。
だから余計に息子のジェシを前面に押し出すしかなかったんだろうね。
でもホント、作品の展開とかそういうのを抜きにして、個人的にはジェシはいらんからエリンに未来を与えてほしかった。
あああ。
すばらしい作品ではあるけど、たぶん二度と読むことはあるまい。

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