« 命日 | トップページ | 森沢明夫「津軽百年食堂」 »

宮部みゆき「楽園」

「模倣犯」に続く前畑滋子シリーズ第二弾。
と言いつつ、「模倣犯」のストーリーをすっかり忘れているわけだが。
あの事件によってよくも悪くも有名になってしまった滋子は、フリーペーパーの編集という地味な仕事についていた。
そんな滋子のもとにある日やってきた中年女性は、「交通事故死した息子の遺した絵が殺人事件の現場に似ている」と言う。
両親が不良の娘を殺害し、庭に埋めたまま時効が成立したものの、火事が原因で死体が発見されたという事件と、その少年との間にどんな関係があったのか。
滋子は調査を進めるうち、殺人事件の裏に潜む秘密に気付くのだが…。
今回はちょっとオカルト。
もっと現実路線で解決するのかと思いきや、少年の能力はあいまいなままになってしまった。
いいのかどうかわからないが、主眼はそこではなくて、あくまでも「親が子を殺す」という事件そのものにある。
宮部みゆきの作品って、本当に救いがないというか、読んでいて気が滅入ってくる展開が多いのだが、今回もややそのパターン。
ただ「模倣犯」に比べると客観性を保っている(時効になっている事件だし、当事者がほとんど登場しない)ので、それほどイヤな気持ちにはならないですんだ。
それでも、終盤は陰惨な事件が明らかになるわけで。
帳尻をあわすためか、最後の最後に救いのある展開にしているのはよかった。
中盤の秘密の勿体つけ方なんかはさすがにうまいし。
でもやっぱり、それほど好きなタイプじゃないんだよなあ。

|

« 命日 | トップページ | 森沢明夫「津軽百年食堂」 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 命日 | トップページ | 森沢明夫「津軽百年食堂」 »