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マイクル・コナリー「リンカーン弁護士」

一応コナリーは全部読んでいるのだが、今回の話はボッシュシリーズではないということで、ものすごい誤解をしていた。
あのアメリカ大統領のリンカーンが若い頃に弁護士だった話(いや、そんな事実があるのか知らんが)だと思ってたよ…。
ぜんっぜん違ってた。
要するに、事務所を持たないでリンカーン(車の)に乗って仕事する零細弁護士のお話。
刑事弁護士として、有罪の被告をどれくらい減刑させるか、もしくは上手く釈放させるかということだけに集中してきた彼は、とある坊ちゃんが起こした暴力事件の弁護士となる。
金ヅルができたと喜んだのもつかの間、その事件の背後に、かつて自分が弁護して、被告は無罪を訴えていたにも関わらず、みすみす刑務所に送ってしまった事件が浮かび上がる。
そして、長年仕事を手伝ってもらっていた男が何者かに殺され…。
法廷ものといえばパターソンだけど、あちらが割りと「正義を探す」みたいなテーマなのに対して、こちらの弁護士はもっとクール。
「無実の被告は引き受けたくない」というぐらいに醒めている。
そこがちょっと異色で面白かった。
法廷でのやりとりもなかなか上手いのだが、とにかく、最初はケチな犯罪の弁護というところから、段々話が大きくなっていく、その展開が非常に上手い。
あと、主人公がかなり人間的なのでとっつやすかったというのもある。
ボッシュはハードボイルドというか何というか、感情移入できる主人公じゃないからなあ…。
何より、最後のどんでん返しがすごい。全然違うところに気が向いていたので、そういう展開になるか!とびっくりした。
これは「このミス」に選ばれるはずだわ。

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