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恒川光太郎「夜市」

ホラー大賞なんだけど、そんなに怖くない。
むしろ、ちょっと切ないお話。
それほど親しくもない男友達の祐司に連れられて、「夜市」へとやってきたいずみ。
そこは見たこともない不思議なものを売っている市だった。
かつて、そこで「野球の才能」と引き換えに弟を売り渡してしまった祐司は、弟を買い戻しに来たのだったが…。
それほど予想外の展開!というわけでもなかったが、読後に余韻が残る。
生理的に気持ちわるいホラーよりも(「夏の滴」はひどかった)、こういうタイプの方が好きだな。
同時収録の「風の古道」も、ちょっとフォークロアっぽい雰囲気で面白かった。
ごく限られたものしか入ることのできない「古道」に入り込んでしまった小学生2人。
道案内を頼んだ青年とともに出口を目指すのだが、そこへ青年を敵視する怪しい男があらわれて銃を撃ち、子供の1人が殺されてしまう。
青年とのこった子供は、「死者をよみがえらせることができる」という場所を探して旅を続けるのだが…。
私たちの住む「こちら側」と「異界」の関係性、そして青年が背負った悲しい宿命がよく描けている。

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