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松田瓊子「紫苑の園/香澄」

美智子様もご愛読、というのに興味を覚えて借りてみた。
なんだか百合っぽいタイトルだけど、中身は…。
ま、まぶしい!
キラキラまぶしすぎるう!
昭和8~9年あたりの日本が舞台で、父を亡くし、母親が入院したことをきっかけに、私設女子寮のような「紫苑の園」に香澄がやってくるところから物語がはじまる。
可愛らしい素直さとまっすぐな心根を持つ香澄は、すぐに寮のみんなと打ち解ける。
ルツベエ、横ブ、マリボなどと呼ばれる寮の面々も、みな明るく朗らかで、青春の日々を謳歌していた。
だが、香澄の母の容態が悪化し…。
戦前の日本って、こんなに豊かだったんだなあ。
何の本だっけ?昭和四十年代に入ってやっと、「戦前の生活に戻った」というぐらいだったらしいから。
もちろん、少女たちがみな割りと恵まれた環境に育ったというのもあるけれど、何よりみんなとにかく明るい。
手作りのものなどを集めて一日だけのお店を開いたり、その利益で軽井沢へキャンプに行ったり、仮装大会をしたり。
とにかくみんな楽しそう。
まぶしすぎる青春だわ。
後編の「香澄」では、療養をかねてルツ子の実家へと行った香澄が、ルツ子の兄と出会い、恋に落ちるという話。
2人とも相思相愛なのに、あまりにも初心なもんで、思い悩んで不眠症になったり。
こういう時代があったんだな…。
しかし、こういう芯から清々しい小説って最近ないよね。
もっとドロドロした青春の話は多いけど。
少女向けで屈託のない、この手の小説がもっとあってもいいような気がした。

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