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冲方丁「天地明察」

久しぶりに面白い小説を読んだ!という気がする。
さすが本屋大賞。
タイトルもいい。
内容は渋川春海が、日本の暦を大改訂するまで、なんだけれども、実際は暦・和算・碁の三題噺的な内容。
欲張ってはいるものの、それぞれの面白さや深みが伝わってくる。
学問というのは楽しいものなんだな~と思えてくる。
何しろ、主人公が感情移入しやすくていい。
まあ実際の渋川春海がこんなにヘタレっぽい(本当はすごい実力者なんだけど)とは思えないので、そこは作者の創作の賜物だろうが、暦といういわば天地の真実に触れる偉業を成し遂げたとは思えない、親近感のある造形がちょうどいいのだ。
主人公を取り巻く人々も魅力的。
とくに関孝和。いわば、この小説のクライマックスは春海と関がいかにして邂逅するか、というところにあると言っても過言ではない。
関孝和の名前だけは知っていたけど、ホントにずば抜けた人だったんだなあ。
惜しむらくは、終盤の展開が駆け足になってしまったところだろうか。
まあ結構長生きした人のようなので、後半生をはしょっちゃうのは仕方なしか。

しかし、直木賞候補になったとき「楽しみな新人」扱いされたのは気の毒…。
作家としては、中島京子よりも長いんじゃないか?

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