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森光子「吉原花魁日記」

森光子といっても、「放浪記」の森光子じゃないよ。
大正時代に、貧しい家から吉原に売られて花魁になった女性の実録日記。
吉原花魁の悲惨な日常がこれでもかと綴られている。
当事者だけに生々しい。
あと、ところどころ伏字になっているのも生々しい。
出版されたときにはちょっと過激な表現だったらしい。
今なら0Kなんじゃないかという気もするが。
斡旋屋に「お酌をするだけだから」と騙されて吉原に連れていかれて、実際に床に入るまで何が起こるかわかっていなかったという。
無知といえば無知だが、一般女性の吉原に関する知識なんてこんなものかも。
ちゃんと学校にも通い、本を読んだりマンドリンを弾いたりする教養のある女性には、吉原の生活は耐えられるものでなく、「日記にすべてを書く」ということを心の支えにして生きていく。
しかし、吉原は騙し騙されが当然の世界、次第にこの女性も客の男に向かって「馬鹿野郎!馬鹿野郎!」と罵ったりすることができるように…。
そしてまた自己嫌悪に陥ったりして、底辺の日々は永遠に続くかと思われたのだが。
ついに、病院へ行くのを口実に、吉原から逃げ出し、当時駆け落ちして話題になった柳原白蓮に助けを求める。
その後は一般の人と結婚したらしいのだが。
「春駒日記」という続編もあるらしいので、ぜひそれも文庫化してほしい。
その後の人生が気になる…。

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