« 中山茂夫「世界のどこかで居候」 | トップページ | 松岡正剛「多読術」 »

大岡昇平「俘虜記」

なぜ今さらこの本…?という気がしないでもないんだけど。
「ゲゲゲ」人気で、改めて南方の戦争に思いを馳せ、この本に至ったと。
タイトルが「俘虜記」というだけあって、兵士としての体験ではなくて、あくまで大岡昇平がどのようにしてアメリカ兵に捕まり、俘虜としての生活を送ったか、というだけの話なんだけども。
これを書いていた時点ではまだ作家ではなかったはずなんだけど、「敵兵と遭遇しながらも相手を殺さなかった自分の心理の考察」とか、「収容所における人間類型」とか、どれも非常に客観的描写を尽くしていて興味深い。
ちょっと思い出したのは、大西巨人の「神聖喜劇」。
共通点は、どちらも兵士を主人公としているけど、人間としての兵士を扱っているというところ。
つまり、戦闘中は一個の人格を失った「軍人」になってしまうけれども、その前の訓練中、そして俘虜になった身では、兵士でありながら兵士ではないという。
そこに滲み出る人間臭さが面白い。
でも、同じ俘虜でもシベリアとは大違い…。
うちの祖父もシベリア抑留経験があるのだが、ロシアの仕打ちはひどいな。
日本人は太平洋戦争について、もっとロシアを怒ってもいいと思う。
ずっと不戦条約を結んでいたはずなのに、戦争が終わる直前にそれを破棄して、のみならずシベリア抑留だろ。
満州から引き上げてきた人たちも、ロシア人に虐殺された人が大勢いたらしいし。
中国とか朝鮮の人に報復されたというのなら理解できるが、なんでロシア?
ワケわからん。
なんか本と関係ない話になったけど。

|

« 中山茂夫「世界のどこかで居候」 | トップページ | 松岡正剛「多読術」 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 中山茂夫「世界のどこかで居候」 | トップページ | 松岡正剛「多読術」 »