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「死のテレビ実験」

いろんな意味で面白い一冊だった。
テーマは「服従」。
ひとは、テレビという権威に対してどこまで服従してしまうのか、という実験。
架空のクイズ番組を設定して、被験者にクイズを出題させ、回答者(サクラ)が間違えると、出題している被験者が電気ショックを回答者に与える(実際は演技)。
で、被験者はどこまで電気ショックを与え続けるのかというと、なんと80%の人間が、最後まで(普通なら死んでるレベル)押し続けたという。
これは、有名なアイヒマン実験というやつのテレビバージョンらしいのだが、アイヒマンというのはナチスの命令に官僚的に従って、ひたすらユダヤ人を収容所に送り続けた実在の人からとった名称。
アイヒマンが、ことさらユダヤ人を憎んでいたとか、残酷だったとかいうのではなく、ごくごく普通の人間でも「権威」の前では服従してしまうということを証明する実験だった。
でも、アイヒマン実験では64%とかだったのに、実験の場をテレビ番組にしたら、80%に跳ね上がった。
おそろしいなあ。
「私だけはそんなのに服従しない!」と思っている人に限って、最後まで電気ショック与えちゃったりするんだよな。
私も読みながら、「でも私だったらとちゅうでやめるな」とは思ってても、実際テレビ番組ということで参加させられていたら、テレビという実態のよくわからない権威に抗うのは難しそうだ。
これはドキュメンタリー番組として、本当にテレビで放映されたらしいんだが、NHKあたりで放送してくんないかな。
自戒をこめて。

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