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山本弘「去年はいい年になるだろう」

タイムトラベルSF。
時は2001年。
あと同時多発テロが起きた瞬間に、未来から大量のアンドロイドたちがやってきて、テロを阻止する。
アンドロイドたちは「この世界の人間の未来を守るため」にやって来たといい、言葉のとおりさまざまな国の軍備を無力化したり、起こるはずになっている犯罪などを事前に阻止したりする。
このアンドロイドが、作家の「山本弘」の元にも現れ、行動を共にするようになるのだが、そのことで作家の人生が本来の運命とは違う道をたどりはじめる…。

タイムトラベルものとしてはそれほど意外性のある設定ではないのだが、これが面白いのは何と言っても登場人物がすべて実在というところだろう。
主人公は著者自身だし、交友関係もすべて実際のまま。
小川一水が登場したときはちょっと面白かった。
「岡田斗司雄が50キロ痩せてダイエット本を出す」という未来が、「そんなのあるわけないじゃん!」という笑い話で出てきたり。
というか、山本弘ってもっと若いと思ってたんだけど、意外と年齢いってたんだな。

一つ気になったのは、これが書かれたのが震災前ということ。
つまり、2010年ぐらいに過去をさかのぼるかたちで書いている。
実際に書いている時点での未来を予測することはできなかったんだなあ…という。
もしあの後だったストーリ-も違ったものになってたんじゃないかという気がする。
結末は決していい終わり方ではないのだが、そこはちゃんと救いがあるようになっている。
これもSFならではの手腕かな。

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