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蜂谷涼「はだか嫁」

やっぱり時代小説はいいなあ。
安心感があるよね。
ミステリってはっきり言ってピンキリだけど、時代小説はある一定のレベルはクリアできている感じがする。

今回は商家のお話。
献残屋という、贈答品の余りものを売買する店に嫁いできたおしの。
よその女に子供を産ませて、それを女房であるおしのに育てさせてのうのうとしていた若旦那が、切れたはずの女を再び孕ませたと知り、姑と舅は自分の息子を勘当し、おしのを女主人として立てる。
持前の気丈さで、店を切り盛りしていくおしのだったが…。
おしのがふとしたきっかけで知り合った、将軍の側室との交流を交えることで、市井の町人の生活と同時に進行する幕末の気配も描いていてうまい。
何と言ってもおしのがいいよね~。
別れた亭主への未練とか、子供を持てなかったことのコンプレックスとか、いろいろと弱さを抱えながらも、自分を鼓舞してひたすら突き進む。

でも、これに似た話をどっかで読んだ気がする…。
真似ってわけじゃないけど、たぶん山本周五郎の小説か何かで、同じように舅と姑が息子を追い出して嫁をかばう、みたいなのを読んだ記憶がある。
でも、そっちは結局わが子可愛さが捨てきれない、というほろ苦い終わり方だった。
そっちの方が人間らしいといえば人間らしい。
山本周五郎らしいというのか。
でも現代にはこちらの「はだか嫁」ぐらいの方がちょうどいい。
苦いばっかりの小説はつらいもんね。

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