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葉室麟「蛍草」

しんみりとしたタイトルからは想像もつかない、爽快な時代小説。
この作者の本は初めて読んだけど、こういう雰囲気だとは思わず予想外だった。
でも面白かったよ。

風早家で奉公をすることになった十六歳の菜々。
ご主人はストイックでかっこいいし、奥様は凛としていて優しい。
理想的な奉公先だったのだが、主人である市之進が藩の不正に気付いてから、きな臭い雰囲気が漂うようになる。
一方、奥方の佐知が病で亡くなり、菜々は残された二人の子供を必死で育てようとするのだが…。

この菜々という主人公が、時代小説にはあるまじき明るさ。
あっけらかんとしてバイタリティあふれている。
最近の時代小説ってこんな感じなのかなあ。
健気を通り越して、とにかくたくましい。
それがいいんだけどね。

周囲をとりまく面々も個性的でなかなかユニーク。
まあユニークにしようという作者の意図が垣間見えてしまうきらいはあるのだが。
その努力はよしとしよう。
久しぶりに、こんなに後味のいい小説を読んだ気がする。

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コメント

葉室麟さんの作品では映画にもなった「蜩ノ記(岡田准一出演で来年公開予定)と「銀漢の賦」が私は好きです。「蛍草」もハムリン作品としては少し趣を異にして良かったです。

投稿: ひろ | 2013年10月 3日 (木) 12時32分

ひろさん、コメントありがとうございます。
やっぱり「蛍草」はいつもの作風と違ったのですね。
でも面白かったです!
「蜩ノ記」、映画化するならぜひ読んでみなければ。
新刊の「さわらびの譜」も、要チェックですね。

投稿: ロザリー | 2013年10月 3日 (木) 20時38分

直木賞受賞作「蜩ノ記」は発売部数20万部を超えるヒット作となり映画は6月末にクランクアップしました。(来年公開予定)出演者は役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、寺島しのぶ等で撮影は岩手・遠野、日本三景松島円通院、喜多方市、会津若松等で行われました。
ハムリン先生は西南学院大学時代は映画研究会だったそうなのでシナリオも厳しくチェックされていると思いますし黒澤明の愛弟子小泉監督が黒澤直伝の撮影を敢行、張り詰めた現場から素晴らしい日本映画誕生の予感がします。「蜩ノ記」是非、一読下さい。

投稿: ひろ | 2013年10月 4日 (金) 08時43分

ひろさん、詳しい情報ありがとうございます!
出演者も豪華だし、舞台は東北なんですね。
いろんな意味で、名作の予感がしますね~。
ぜひ観てみたいです。

投稿: ロザリー | 2013年10月 6日 (日) 16時03分

「蜩ノ記」の舞台は豊後(大分県)です。
ロケ場所に東北地方が選ばれただけです。作中の登場人物は大分弁を喋ります。

投稿: ひろ | 2013年10月 7日 (月) 08時47分

おっと、早とちり失礼しました。^^;
大分が舞台の時代小説というのも珍しいですね。
大分弁ってどんなんだろう…気になります。

投稿: ロザリー | 2013年10月 8日 (火) 20時17分

ハムリン先生は1951年北九州市生まれ。
西南学院大学文学部 外国語学科 フランス語専攻卒業。地方紙記者、民放ニュースデスクを経て53才で文壇デビュー。藤沢周平の後継者とも言われる注目の作家。現在も福岡県久留米市在住で九州を舞台にした作品が多い。

最新作「さわらびの譜」
扇野藩の重臣、有川家の長女・伊也は藩の弓上手・樋口清四郎を負かすほどの腕前。競い合ううち清四郎に惹かれる伊也だったが妹の初音に清四郎との縁談が。        くすぶる藩の派閥争いが彼らを巻き込む。 姉妹の思いと共に千本の矢が政治の非情を射貫く。
爽快な長編時代小説。発売中。

投稿: ひろ | 2013年10月 9日 (水) 10時24分

詳しい情報ありがとうございます。
九州が舞台の作品が多いんですね。
なるほど~。
本を買わず図書館派で申し訳ないんですが^^;、映画が始まる前に読んでおこうと思います。

投稿: ロザリー | 2013年10月12日 (土) 21時07分

映画「蜩ノ記」のチラシを入手しました。
10月4日公開なのに東宝も力を入れているようで映画館にもう置いてありました。
日本の美しい四季を背景に物語が展開されるようで期待が持てそうです。

投稿: ひろ | 2014年5月13日 (火) 13時59分

ひろさん、コメントありがとうございます。

もうチラシが出ているんですか!
早いですね…。
タイミングが合えば、わたしも映画館で見たいなと思います。

投稿: ロザリー | 2014年5月15日 (木) 20時48分

映画「蜩ノ記」公式サイトで予告編を観ることが出来ます。
期待が高まります。

投稿: ひろ | 2014年6月30日 (月) 10時33分

ひろさん、映画情報ありがとうございます!
もう予告をやっているんですね。
岡田くんがかなりはまり役ですね~。
役所さんがいいのは当たり前ですが。
手堅い作品になりそうですね。

投稿: ロザリー | 2014年7月 6日 (日) 15時40分

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