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「精選女性随筆集 武田百合子」

武田泰淳を読んだことないのに、奥さんの武田百合子のエッセイを読んだ。
そもそも、「富士日記」は以前から読んでみたいと思っていたのだが、なかなか手に取る機会がなく、あきらめかけていたところ、ちょうどいい具合に抄録されているこの本を発見。
さっそく読んでみた。

うわわ、面白い。
なんというか、作家の妻だけに、武田泰淳の素顔的な面白さもあるのだろうが、そもそもそちらを読んでいない私には、ふつうに面白かった。
日記って、本来は難しいんだよね。
誰に読ませるつもりもない日記は記号的で読んでいてわかりづらいし、読まれることを前提としてしまうと、それはもう創作の域だったり。
自然体な日記でなおかつ面白いというのは、読んだことがない。
「富士日記」は、そもそも世に出すつもりはなかったようだが、夫が読み手であるということが意識されているので、一人よがりになっていない。
なんということもない日常なんだが、不思議と興味を掻き立てられる。
これはちゃんと全部読まないとダメかなあ。

武田泰淳と大岡昇平の交流も面白い。
この二人は仲よかったんだね。
いつも大岡が武田家にお土産を持ってきてくれるので、お返しに回数券を持っていったら、水臭いと思われたのか睨まれた、とか。
時代的には昭和40年代前半なのだが、古き良き時代の日本を感じさせてくれる。

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