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垣根涼介「狛犬ジョンの軌跡」

動物の擬人化モノが案外好きなので、読んでみたのだが…う~ん…いろんな意味で中途半端。

ドライブの途中で見たこともない種類の大きな黒犬を轢いてしまった太刀川。
あわてて動物病院に連れて行くが、まるで人の言葉が理解できるような不思議な態度をとってみせる。
成り行きでその犬を飼うことになるのだが、実はその犬の正体は…。

もちろん狛犬だよね。
これ、タイトルがすでにネタバレなんだが、それでよかったんだろうか。
連載時には違うタイトルだったのか。
とにかく、最初っからこちらは「狛犬だよね」という目で読んでいるので、なかなかそれに主人公が気づかない展開がイラつく。
そして、終盤になってやっと、なぜ狛犬だったジョンがこうして生身の体になったのか、その理由が明らかにされる。
この正体がバレるところをクライマックスにしたかったのかもしれないが、これも冒頭で示唆されてしまっているし…。
読んでいて何の驚きもない小説だった。

これがもし、タイトル通りに狛犬ジョンがあちこちを放浪していろんな飼い主と出会う、というストーリーならそれもアリだったと思うのだが。
そういうこともなく、ひたすら太刀川とのやりとりのみ。
何がしたかったのかよくわからん…。

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