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有沢佳映「かさねちゃんにきいてみな」

「ロードムービー」も児童書で再刊されていたけど、最近の児童書は侮れない。
なんというか、大人向けの小説よりも斬新だったり、主題がストレートに伝わってきたりと、下手な小説読むよりも面白かったりする。

で、この本。
これも会社で見かけて「面白そうだな」と思って借りてみたんだけど、期待を裏切らない面白さだった。
舞台は、小学校の登校班。
小学六年生のかさねちゃんを班長に、副班のユッキー、4年生のマユカ、太郎次郎の兄弟、そして問題児のリュウセイ、ほとんどしゃべらないのんたんと、暴れん坊のミツ。
8人の登校風景だけが、ユッキーの視点からひたすらつづられる。
それだけ。
問題児ばかりの登校班なのだが、かさねちゃんはその博識の頭脳とリーダーシップで、みんなを非常にうまくとりまとめている。
ユッキーはかさねちゃんを強烈にリスペクトしながらも、来年自分が班長になってみんなをまとめられるのか、非常に不安に思っている。
そんな時、リュウセイが学校に登校しなくなりはじめ…。

とにかく、かさねちゃんがすげえ。
まあ創作なんだからアレだけど、なんでも知っているし(ホーキングは二人いるとか私も知らないようなことも)、みんなの興味を引き付けるような、シャム双生児の登場する奇天烈な物語を即興で語ってみせたりする。
カリスマなのはある意味当たり前。
でも、この本が面白いのは、視点があくまでもそれを客観的に見ているユッキーだというところ。
そして、登校途中の風景に限定することで、その個性がさほど突出せずに、うまく物語になじんでいる。
うん、よくできた話だわ。

そういえば、私も小学校のときは登校班というものがあったが、だれがいたかすっかり忘れているなあ…。
私も六年生のときは班長だったはずだけど…記憶にない。
唯一覚えているのは、登校班で待ち合わせをしているときに、のりを持ってくるのを忘れたことに気づき、「どうしよう!」と騒いでいたら、一個上の子(名前忘れた)が「洋服にご飯粒とかついてたら、それを練ってのりにすればいい」と言ったこと。
もちろん、そんなののりの代わりにはならないのだが、「のりってごはんでできているんだ!すげえ!」と感心したのを覚えている。
登校班って、日常で他の学年と交流を持つ貴重な機会だったんだなあ。
会社の近くにも小学校があるのだが、そこはバラバラ登校。
正直、小学生が道路の邪魔でしょうがない。
登校班できちんと整列して登校してほしいわ。

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