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フローラ・トンプソン「ラークライズ」

イギリス版「大草原の小さな家」という触れ込みに惹かれて読んでみた。
確かに、主人公の女の子がローラという名前だし、いろいろ重なる部分がある。

「ラークライズ」という村の名前も、ローラという名前も実際とは違うのだが、内容的にはほぼ作者の実体験らしい。
イギリスの本当の田舎の村の日常が、細やかにつづられている。
しかし、これが今からほんの100年ほど前の話なんだよな~と思うと、なんだか不思議な気がする。
とにかく、自給自足が基本で、お父さんたちの楽しみは、村に一軒だけあるパブでお酒を飲むことだけ、お母さんたちの楽しみは近所の人たちとのおしゃべり。
どの家も貧しいのだが、みんなそうなので誰も気にしない。
豊かではないけれど、それなりに幸せな生活。
…だが、年を取ったり病気になったりすると、福祉がまだきちんと整備されていないので、かなり悲惨な生活になってしまう。
ここらへんの現実は、「大草原の小さな家」にはなかったなあ。

ローラは弟と仲良しで、二人でいつも遊んでいるのだが、エピローグとして第一次世界大戦の波がこの村にも押し寄せ、弟が戦死してしまったというのは、読んでいて辛いものがあった。
こんな辺鄙な村からも、若者が兵士に駆り出されていたんだなあ。
それは太平洋戦争のときの日本も同じか。

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