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「アナと雪の女王」

日曜日の昼間に観に行ったせいで、家族連れにまみれて鑑賞する羽目になったが、幸いガキンチョどもは恐れていたほどにはうるさくなかった。
隣は4人連れの家族で、しかも3席しかとっていない!という(子供が2歳児くらいだったからか)、ある意味絶望的な状況だったのだが、うるさかったのは子供よりもむしろバリバリポップコーンをむさぼっている母親の方だった。
途中でひっくり返すし。

で映画。
う~ん…正直いって、ストーリーが破綻していないか?
最後はさすがに泣かされたけど、ところどころ、内容の詰めが甘くて、ちょっとイラっとした。

生まれつき雪と氷を操る魔法を持っている(なぜ持っているのかという説明は一切ない)エルサと、無邪気で明るいアナは仲の良い姉妹だったが、ある日遊んでいるときにエルサがアナに魔法をぶつけてしまうという事故が。
王と王妃があわてて姉妹をトロールのもとに連れていき(なぜトロールなのかがはっきりせず)、アナの魔法に関する記憶をけし、エルサは魔法を制御できるようになるまで人前に出ないようにするということに。
そして月日が流れ、王と王妃が海で遭難して亡くなってしまい、エルサが若き女王として戴冠式を迎えることに。
ところが、アナがその日に出会ったばかりのハンス王子に恋してしまい、結婚の約束をしてしまったことがきっかけとなり、エルサは衝撃のあまり封印していた魔法を解放してしまう…。

たぶん、二人が疎遠なまま成長し、最後は和解する、という大枠だけ決まっていて、辻褄が合うようにストーリーをくみ上げていったのだと思うのだが、「アナの記憶を消す」という必然性がわからない。
あと、序盤がほとんどアナ視点なので、エルサが「レリゴーレリゴー!」となってしまうまでの葛藤があまり描かれず、なんだか唐突感がある。
あと、クリストフって必要か?
途中でアナを助けるべく登場してきて、まあ個人的にはスキなキャラではあるんだが、彼がいなくてもオラフ(雪だるま)がいればそれで問題なかったような気も。

わたしにとっては、「塔の上のラプンツェル」の方が断然いい。
完成度も何もかも。
それがここまで話題になるというのは、やっぱり歌の力かな。
ラプンツェルは歌がイマイチだったからなあ。
メロディラインをすぐに忘れてしまう。
「レリゴー」は忘れられないもんなあ。

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天久聖一「ノベライズ・テレビジョン」

「笑っていいとも」「新婚さんいらっしゃい」「笑点」…いろいろな実在のテレビ番組を勝手にノベライゼーションしていまうという短編集。
コンセプトも十分面白いんだが、それ以上にそれぞれの芸能人の特長の掴み方が面白い。

とくにすごかったのは「笑点」。
座布団運びにプライドを持っている山田隆夫、才能があるがゆえに全力で参加していない春風亭昇太、実はすごい哲学的なことを考えている林家木久翁、そして歴代の司会者の重圧を受けている桂歌丸。
こういうのをノベライズしてしまうというのはおふざけかもしれないけど、その内面描写はものすごくリアル。
本当にそう思ってそうでコワイ。

しかしこうしてみると、テレビって、芸能人の見えている部分と、見えてない部分の乖離がすごくあるものなんだよね。
それをわかってないと、見えているのがそのままその本人の本質だと思ってしまいがち。
そういう意味でも、この本は単なるノベライゼーションという以上の価値がある気がする。

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内澤洵子「からだのいいなり」

38歳で乳がんになりながらも、その後に発病前よりも健康になった…という闘病記。
らしいのだが、読んでいてあんまりそういう印象は持たなかった。
病気を経て体質が変わったり、ヨガをはじめたことで代謝がよくなったり、ということはもちろんあったのだと思うが、やっぱり乳がんは乳がん。
しかも全摘だから…。
後遺症ももちろんあるだろうし、再発の可能性だってゼロではない。
そんなにいい話ではなかった。

で、読んでいてなんだかしっくりこなかったのは、著者が人生に投げやりなこと。
まあ本当にどうでもいいと思っているわけじゃないだろうけど、「人間どうせいつかは死ぬ」みたいに、達観しているのがどうしても共感できなかった。
なんでだろ。
こういう、必要以上にサバサバしている女性がどうしても受け付けない。

この著者は、屠畜関係の著書が多くて、余計にそういう生死に対するある種の哲学みたいなものがあるんだろうけど…。

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いとうせいこう「未刊行小説集」

「空想ラジオ」がいとうせいこうの久しぶりの小説だったとはいえ、以前はけっこういろんな話を書いていて、決して新人ではないいとうせいこう。
で、その空白の数年間にあちこちに書き散らかした小説を一冊に集めたのがこれ。

おおむね、ちょっと中途半端というか、体系だった短編集ではないので、一編ずつで気持ちを切り替えるのがなかなか難しかった。
その中でも面白かったのは、「内面奪還ヒーローズ」。
インディ・ジョーンズやブルース・リー、ジェイソンなど、いろんな映画の主人公が実際は内面でどんなことを考えていたのか、というのを丁寧に書き換えている。
一番面白かったのはジェイソン。
ものすごいドジっ子で、そんなつもりはないのについつい人を殺しちゃうの、てへ☆
という、原作とはあまりにも違う設定。

あと、この本の半分くらいを占めている「歌を忘れてカナリヤに」は、カナリヤ諸島で出会った男に、何度も何度も歌謡曲の歌詞を聞かれ、それが縁でその男のそれまでの人生を知ることになる、みたいな話。
まあ正直ストーリーは退屈だが、歌詞が思い出せないというキモチはすごくよくわかる。
最近、これが多くて本当に困る。

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