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乃南アサ「いちばん長い夜に」

前科持ちシリーズ2人組シリーズ完結編。
今回は、東日本大震災に遭遇するというエピソード。

子どもと生き別れたままの綾香の立場に疑問を抱いた芭子は、綾香に内緒でこっそり彼女の故郷である宮城へと足を運ぶ。
そこで、子供の足跡をたどろうとするのだが、わかったのは「外国人の養子になったらしい」ということだけだった。
慣れない旅で疲労した芭子を襲ったのは、突然の大地震…東日本大震災だった。

芭子が震災に遭遇するというのは、まあ時節柄おかしくないと思ったのだが、遭遇した場所が場所だけに、描写がやけにリアルだなと思ったら…。
これってまるまる、作者の実体験だったらしい。
びっくり。
今回の本を書くために取材に行って、そこで震災に遭遇してしまい、ホテルのロビーで夜を明かしたあと、タクシーをひたすら乗り継いで東京まで帰ってきたという。
というか、よくタクシーがつかまったなあ。
タクシーが東京まで走ったなあ。
当時の道路状況を考えると、奇跡的だよね。
フィクションだと思って読んでいたときには出来すぎだと思ったけど、実話だったんだなあ。

しかし、震災があったことで、二人の関係性にも変化が生じてしまう。
芭子は旅の途中で知り合った弁護士に、自分の素性を打ち明けてしまうし、綾香は大勢の人が亡くなった震災で、自分が犯した「殺人」という罪が決して許されるものではないと、改めて考えるようになる。
いつまでも二人っきりで生きていけるとは思わなかったけど、綾香さんには幸せになってほしかったので、この結末はちょっとフクザツ。
でも、そういうのも含めて、いろいろと考えさせられるシリーズだった。

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