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池井戸潤「空飛ぶタイヤ」

半沢直樹で一躍有名になった池井戸潤の本を初めて読んだ。
ほおお~今までこの手の企業小説みたいなものを読んだことがなかったんだが、半分はミステリーっぽくて面白かった。
そもそも、この作家のデビューはミステリーだったもんな。

実際にあったトラックのタイヤがいきなり外れて歩行者に激突、死亡させてしまったという事件を基にしている。
どこまで現実に忠実なのかはわからなかったけど、自動車会社の内情などが赤裸々に描かれていて、なかなか興味深かった。
トラックの製造元の苦情処理係りが、いろんな意味でこの事件の鍵を握っているんだけど、こういうキャラってドラマだと難しいかもしれないなあ。
「ルーズヴェルトゲーム」が、役者が半沢直樹の使い回しというのもさることながら、唐沢が善人なのか悪人なのかよくわからないので、観る気を失ったというのもある。
勧善懲悪がいいとは言わないけれど、こういう清濁あわせ飲むタイプは、感情移入しづらいな。
でも全体的にはよくできていて、面白かった。
この本もBSでドラマ化されているんだよね。
そっちも見てみたかったなあ。

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伊坂幸太郎「ガソリン生活」

朝日新聞で連載中に読んでいたが、途中でストーリーがよくわからなくなったので、あらためて本で読んでみた。
視点が「クルマ」というのが新しい。
そういえば、「オーデュボンの祈り」ではカカシが主人公だったっけ。
まあ荒唐無稽といえばそうなんだけど、クルマだと何があっても別に死んだりしないという安心感があるな。
でも、なんでこんなにこの小説に親近感を覚えるのかと思ったら、主人公が「デミオ」だからだということを思い出した。
うちにもあったなあ…デミオ。
緑じゃなくて青だったけど。
大きさと価格がちょうどよかったから新車で購入したものの、ろくすっぽ乗らずに、最後はアクセル踏むとヘンな音がするようになって、結局廃車にしてしまった…。
この本を読む前だったら罪悪感を感じていたかもね。
最後はまあちょっと出来すぎな感じがしなくもないが、新聞連載だからこんなもんだろう。

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アーネスト・クライン「ゲーム・ウォーズ」

展開してはわりとありがちな話なので途中で挫折しそうになったけど、ストーリー以外の部分で興味を引かれてなんとか読み切った。

OASISと呼ばれる、ほぼ全地球の人々が日常に使用している仮想世界。
その創作者であるアノラックが、「OASISに隠した3つの鍵を見つけたものに、すべての財産を遺す」という遺言を残して亡くなったために、多くの人々がその鍵を探しはじめる。
その一人であるパーシヴァルは、ついに一つ目の鍵を手に入れることができたのだが、OASISを手中に収めようとする組織によって命を狙われることになる。
パーシヴァルは、オンラインで知り合ったエイチやアルテミスらと協力して、残る2つの鍵を探すのだが…。

とにかく、なんというか「80年代サブカルおたくのためのSF小説」としか言いようがない。
あまりにもわたしの世代にどんぴしゃの情報が多すぎる。
設定は近未来なんだけど、このアノラックという創作者が80年代カルチャーのオタクなので、すべての謎が80年代の映画やゲームなどに依拠しているのだった。
この小説のたぶん土台となっている「ウォー・ゲーム」はもちろん、「フェリスはある朝突然に」とか、「ブレードランナー」とか「ファミリータイズ」とか「パックマン」とか「ウルトラマン」とか「カウボーイビバップ」まで…。
ぜーんぶどんぴしゃ!
やっぱりというか、作者はわたしとタメだった。
そうだと思ったよ…。

だから、70年代生まれで80年代に青春を過ごした人には「あー!あったあった!」と楽しめる作品だが、そうでない人には何が面白いんだがさっぱりわからない作品、ということになる。
これ、映画化されるらしいけど、理解してくれる人がどれぐらいいるんだろうか。

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