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椰月美智子「その青の、その先の」

ちょっとコンプレックスがありつつも、3人の親友と落語家を目指す彼氏に囲まれて、幸せな青春の日々を送っているまひる。
親友の一人のクロノは美少女だがロック歌手を目指している変わり者、そしておっとりしているとおもっていた睦美は惚れっぽく、しっかり者の夏海は切ない片思いをしていた。
恋や進路の悩みなどもありつつ、それでもかけがえのない日々が、恋人の事故であっけなく崩れ去ってしまう。

青春の痛恥ずかしい感じがよく出ていて、なかなかいい小説だった。
まひるが、ちょっとかっこいいクラスの男子に「邪険にされている」と感じるところが、ものすごく共感できた。
少女マンガなんかでは、好きというキモチの裏返しでそういう態度をとったりするが、現実にはどうでもいい相手だからそういう態度なんだよね。
微妙に友人のクロノとの態度の違いに気づいて、落ち込むまひるの気持ちがすんごくよくわかった。

そんな平凡なまひるが、突然絶望のどん底に落とされるところもリアル。
わたしも家族でそういう思いをしたからなあ。
平凡で幸せな日々というのは、本当にあっさり覆ってしまったりするものなのよ。
だからこそ、日常がかけがえのないものだと気づかされるというか。

終盤の展開には賛否両論あるかと思うが、これがあるからこそ、まひるの青春の輝きがクローズアップされるので、わたしは良かったと思う。
高校生にはオススメの一冊。

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