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池井戸潤「下町ロケット」

直木賞を受賞した作品なので、どんなかな?と期待していたのだが、わりと池井戸潤のいつものパターンだった。
普通に面白いけれども、個人的には「空飛ぶタイヤ」の方がよかったかな。

人工衛星の発射に失敗して、責任をとるかたちで退職して自分の父親の工場を引き継ぐことにした佃。
それでも夢をあきらめきれず、実現はとても不可能ないくつかの発明品で特許を取っていたのだが、逆に特許侵害で訴訟沙汰となり、会社が存亡の危機に陥る。
そんな時、大企業から「ロケットの開発にその特許を使わせてもらいたい」という申し込みを受け、一度は特許を譲渡する方向に傾くのだが、佃は別の方法を思いつく。
だがそのために、佃の工場の内部では賛否で分裂が起きてしまい…。

てっきり「ロケット」というから、下町の工場が協力してロケットを作る話かと思ったのだが(まいど1号みたいに)、ちょっと違った。
あくまで主役は「ロケットの一部の部品」なのだった。
でもその方が逆にリアルだよね。
小さな部品だからこそ、町工場が入り込む余地があるわけで。

大企業の内部に理解者ができる過程は、ちょっと出来すぎな感じがなくもないが、大企業と町工場の力関係がひっくり返るところは爽快。
わりと池井戸潤は勧善懲悪だよね。

でも、3Dプリンタができたせいで、これから町工場は打撃を受けるんじゃないかなあ。
小説はともかく、現実の世界の工場事情が気になるわ。

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