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宮尾登美子「蔵」

舞台化?かなにかされると聞いて、読んでみた。
実は、20年くらい前に一度読んでいるんだよね。
でもその時は、全然面白いと思わなかった。
というのも、主人公が「烈」だと思って読んでいたから。
主人公にしては内面描写が少ないし、なんか中途半端な話だな~と思っていた。
が!
それが大きな間違いだったということを今更知ったよ。
これは「家」の話なんだよね。

造り酒屋をしている田之内家に、待望の女の子が生まれる。
9人目にしてようやく育ったその子は烈と名付けられ、大事に育てられる。
病弱な母の代わりに、母の妹である佐穂がやってきて、烈の面倒を見るようになるが、幼い烈の目が段々見えなくなっていく病気だということが判明。
一家はどん底に落とされる。
烈の目の快癒を願って、祖母と母が巡礼の旅に出ようとするが、相次いで病死。
佐穂が母親代わりとなるのだが、烈の父が若い後妻を迎えたことで、家族の均衡が壊れ始める。

そう。
実は陰の主人公は佐穂なんだった。
この人がね~もう健気で健気で。
途中、烈の父が後妻を迎えちゃうくだりなんて、涙なしでは読めないよ。
切ない…。
最後も報われたような報われないような。
昔はこういう生き方をした人が多かったんだろうなあ。

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