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宮部みゆき「蒲生邸事件」

これも以前読んだものの、ストーリーをすっかり忘れていた本。
しかし、今回この本でトラウマが…。
なんと、電車の中に落っことしてしまったという。
そして、誰かが拾って届けてくれたのを、駅まで取りに行ったという…。
最近、こういうポカが多くてホントに困るわ。

で、ストーリー。
大学受験のために上京していた孝史は、宿泊していたホテルで火災に遭う。
しかし、その時不思議な男が現れて、孝史を別の場所へと連れて行く。
なんとそこは、二二六事件の真っただ中だった。
訳のわからないままに、別の時代へとタイムスリップさせられた孝史だったが、彼を連れてきた男が意識を失って倒れてしまったがために、その時代で二二六事件を体験することになる。

なんというかね…感情移入できない。
タイムスリップは別に抵抗はなかったんだが、この主人公がダメ。
全然状況になじめない、とことん抵抗したり、事態をいたずらにかき回すばっかりで、可愛げのある主人公じゃないんだよな。
まあ、リアルで考えたら急にタイムスリップさせられて混乱するのもわかるのだが、いい加減いらっとする。
設定は面白かったのにね…登場人物の魅力が足りなかった。

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「深ボリ」

芸人とミュージシャによるホンネ対談。
森山直太郎と千原ジュニア、星野源とチュートリアル徳井など、ふつうならちょっと結びつかない組み合わせ。
お互いにそれほど親しいというわけではないので、その分真面目に語り合っているのが面白い。

芸人の対談って、どうしても「面白くしないと!」という下心が出てしまうので、嘘っぽくなりがちなのだが、この本からは全くそれが感じられなかった。
逆に言うと、笑える対談ではまったくなかったということなんだが、それはそれで貴重。
しかし、ミュージシャンって真面目な人が多いなあ。
なんというか、本質的に真面目というか、やっぱり練習したり地道に努力したりしないと、ミュージシャンとしてはやっていけないわけなので、そこそこ売れている人たちはみんなまじめなのかもしれないな。

そんなミュージシャンの真面目さにつられて、芸人も本音を語るという。
不思議な化学反応の対談集だった。

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三上延 倉田英之 「読書狂の冒険は終わらない!」

どちらも、ライトノベル系の作家で、三上延の「ビブリア古書店」しか読んだことないんだが…。
二人ともかなりの読書マニアということで、なかなか共感できた。
ただ違うのは、私は本はあんまり買わないというところかな。
買うよりかは借りて読む方だから、家が本であふれそうになっている、というシチュエーションはまったくあてはまらないけど。

この本のいいところは、説教臭くないということ。
大体、こういうブックガイドっぽい本って「これを読め」「あれはスバラシイ」とか、そういう押しつけがましいのが多いのだが、これはあくまでも「こういう本を読んできた」「この本が好きだった」というスタンス。
それも、あんまりマニアックすぎることもなく、クリスティとか江戸川乱歩とか赤川次郎とか、わりと庶民的な作品が多い。
そうそう、赤川次郎の功績って、無視されがちなんだよな。
何か賞をとったことあっただろうか?
これだけ読まれている作家なのに…。
赤川次郎には申し訳ないが、一時あんまり本がたくさん出版されているので、絶対ゴーストライターを使っていると思っていたものだが…そんなことはないよな。
そういう作家にも光を照らしているのは偉い。

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宮部みゆき「あかんべえ」

宮部みゆきの時代小説は、幽霊モノが多いのだが、これもその系統。
料理屋の娘のおりんは、高熱で死の淵をさまよったときから、幽霊の姿が見えるようになる。
引っ越したばかりの料理屋がある場所には、以前消失したお寺があった。
そこで起きた事件のせいで、料理屋には次々と幽霊が姿を現して騒動を起こしていく。
おりんはその原因をつきとめようとするのだが…。

なんというか、いろいろ過剰すぎる小説だった。
幽霊が出てくるのはまあいいとして、それが巻き起こす騒動が三回ぐらいある。
もうちょっと短くして、騒動もすっきりまとめた方がいいんじゃないかという気がする。
その方が、最後へのクライマックスが盛り上がるのでは?

でも、「同じ過ちを犯した幽霊の姿が見える」という設定は、「おそろし」のシリーズにも通じるところがあるな。
ただ、こちらは主人公が子供なので、もっぱら周囲の人間がそういうタイプということなんだけど。
それにしても、脛に傷持つ人が多すぎるような。
設定は決して悪くなかったんだけどなあ。

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辻村深月「ネオカル日和」

今や直木賞作家の辻村深月だが、エッセイはびっくりするほどつまらんなー。
なんというか、個性がまったく感じられない。
よく悪くも真面目なエッセイ。

作家のエッセイなんて、ウケを狙ってナンボじゃないかと私は思っているのだが、その要素ゼロ。
直木賞作家として西加奈子を見習ってほしい。

後半には短編小説も入っていて、それはそれでまあまあ面白いんだが…。
たぶん、この作者はエッセイ書くよりも物語を書く方がラクなんだろうなあ。

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森達也「アは愛国のア」

これは非常に面白い本だった。
ぜひ、多くの人に読んでほしい。
特に後藤さんの事件で、「報復」の二文字が新聞に出るようになった今こそ。

森達也は完全にリベラル派なんだが、そんな彼が一般人を集めていろんなテーマで話し合うという。
一般人というのは、某新興宗教の信者である編集者A、かなりゴリゴリのネトウヨの会社員B、森達也が教えている大学の学生CとD、そして同じく右派のEという構成。
途中の森の発言で、この本の出版社が潮出版社だということを知り、なんでAさんが参加していたのかを理解した。
しかし、内容的には全然宗教っぽくはない。

とにかく、森達也の意見がいちいちわたしの持論と一致するので、もう声を大にして「その通り!」と言いたくなった。
まず、国家はインフラだということ。
そう、国という単位は所詮、一か所に住む人間たちの便宜上存在するものなんだよね。
それから、戦争は必ず「自衛」から始まるということ。
このグローバル化の進んだ現代において、よっぽどのことがない限り侵略戦争なんて起こるはずがない。
ただ、「自分の国を守るため」という理由だったら、簡単に戦争は起きてしまう。
なんでみんなそのことに気づかないのか。
テロだって同じ。

冷静になってみると森達也の意見がいちいちもっともだとわかるはずなのに、参加者のBさんのように「日本がどうなってもいいんですか!?」みたいになっちゃうと、永遠に平行線なんだな。
国を愛するのに理由はいらないけど、国に文句を言うには理由がいる。
「非国民!」と他人を非難することに理由はいらないから、みんな簡単に口にするんだろうな。
それにしても、森とBさんのやりとりは読んでてドキドキした。
よく書籍化したなあ。

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