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森達也「アは愛国のア」

これは非常に面白い本だった。
ぜひ、多くの人に読んでほしい。
特に後藤さんの事件で、「報復」の二文字が新聞に出るようになった今こそ。

森達也は完全にリベラル派なんだが、そんな彼が一般人を集めていろんなテーマで話し合うという。
一般人というのは、某新興宗教の信者である編集者A、かなりゴリゴリのネトウヨの会社員B、森達也が教えている大学の学生CとD、そして同じく右派のEという構成。
途中の森の発言で、この本の出版社が潮出版社だということを知り、なんでAさんが参加していたのかを理解した。
しかし、内容的には全然宗教っぽくはない。

とにかく、森達也の意見がいちいちわたしの持論と一致するので、もう声を大にして「その通り!」と言いたくなった。
まず、国家はインフラだということ。
そう、国という単位は所詮、一か所に住む人間たちの便宜上存在するものなんだよね。
それから、戦争は必ず「自衛」から始まるということ。
このグローバル化の進んだ現代において、よっぽどのことがない限り侵略戦争なんて起こるはずがない。
ただ、「自分の国を守るため」という理由だったら、簡単に戦争は起きてしまう。
なんでみんなそのことに気づかないのか。
テロだって同じ。

冷静になってみると森達也の意見がいちいちもっともだとわかるはずなのに、参加者のBさんのように「日本がどうなってもいいんですか!?」みたいになっちゃうと、永遠に平行線なんだな。
国を愛するのに理由はいらないけど、国に文句を言うには理由がいる。
「非国民!」と他人を非難することに理由はいらないから、みんな簡単に口にするんだろうな。
それにしても、森とBさんのやりとりは読んでてドキドキした。
よく書籍化したなあ。

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