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片野ゆか「旅はワン連れ」

人一倍…いや、犬一倍臆病ないぬ「マド」。
どうにかその臆病を克服させようと、飼い主である著者が、犬を連れてタイを旅行する話。
中に写真が入っていて、なんだか高野秀行に似た旦那さんだな~と思っていたら、本人だった!
うわー高野秀行って結婚してたんだね。知らなかったわ。

タイは犬に寛容な国だということで選ばれたのだが、飼い犬を海外に連れ出すというのは、非常に大変なんだな。
まずは出国させるための予防注射その他もろもろの準備で、一年ぐらいの猶予はみておかないといけない。
さらに向こうについてからも、現地にいる野良犬たちをいかに刺激せずに、自分の犬を遊ばせるかで結構苦労する。

でもその甲斐あってか、日本に戻ってくるころには、旦那さんとの絆も深まり、ビビりもだいぶ緩和されたというマド。
マドは、富士丸の飼い主のブログとかでもよく見かけていたので、親近感があったので、なんだか必要以上に感情移入してしまったかもしれないな。

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姫野カオルコ「昭和の犬」

直木賞受賞作…にしては地味だなという印象。
姫野カオルコはもっと面白い作品もあるんじゃないかという気がするが…。

シベリア帰りで突然キレる父と、娘と夫には全く無関心な母という、いびつな両親を持つイク。
ひたすら父親の機嫌をうかがい、母親の無関心に耐える日々だったが、いつもその傍らには犬や猫がいた。
子ども時代を彩るテレビ番組と、個性豊かな犬や猫たちとともに、昭和という一つの時代が流れていく。

もっと悲惨な話かと思いきや、そうでもなく、かといって読んでいて救いのある話でもなく。
自伝的作品だということらしいので、リアルといえばリアルなんだろうが。
ちょっと食い足りない感じがしたなあ。
しかし、結構あっけなくいなくなってしまう犬猫が切ない。
これもまた昭和的ということか。

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月村了衛「機龍警察」

警察がロボットに乗って犯人を追いかけるという、まんま「パトレイバー」な小説。
「パトレイバー」だって好きなので、それの小説版だと思えば面白い…はずなんだが…。
なんだろう、この暗さ。

密造された機甲兵装が、地下鉄に立てこもるという事件が起こり、『龍機兵』と呼ばれる特捜部隊が投入される。
しかし、先に突入したSATは全滅、立てこもり事件はテロリストたちの罠だった。
龍機兵に騎乗するのは、元傭兵、元テロリストなどの曲者ぞろいの3人。
SATとの連携もばらばらなまま、捜査は難航し…。

う~ん…なんでこんなに面白くないのかというと、主人公の3人がクセがありすぎて、まったく感情移入できないからだな。
誰かひとりぐらい、まともな人間を入れておいてくれればよかったのに。
なんだか、深刻なトラウマもちばっかりで、読んでいて気が滅入ってくる。
続編は面白いんだろうか。

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ロザムンド・ラプトン「さよなら、そして永遠に」

これは、久々に時間を忘れて読んだ。
家族愛の物語なんだが、ミステリーとしてもどんでん返しがあって、ぐいぐい読ませる。

イベントで大勢の家族でにぎわっていた学校で火災が発生。
グレースとその娘が大けがを負う。
ところが、生死の境をさまよっている母と娘は、自分の体から抜け出していた。
事件の謎を追う捜査官のセーラとともに、二人も事件の真相を知っていくのだが、その間にも二人の体には限界が近づいており…。

なんというか、まあ一言で言うと幽体離脱もの。
なんだけど、それほどオカルト風味ではないというか、母が娘を思う気持ちの強さが前面に出ているので、そういうオカルト設定はあまり気にならない。

それよりも、犯人像が二転三転するので、後半は本当に手に汗握る展開に。
決して大団円の結末ではないんだが、なるべくしてこうなったというか、納得感のある終わり方。
よくできた話だわ。

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