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今野敏「隠蔽捜査」

今野敏はそれほど面白いと思っていなかったのだが…。
なんじゃああこりゃあああ!
めっちゃ面白いじゃん!!

主人公は、超合理的思考の持ち主・竜崎。
警察の不祥事にかかわる隠蔽を無視して、「警察官」としての理念のもとに、ある意味傍若無人に突き進む男。
息子がうっかり麻薬で遊んでしまったときも、黙っていればわからないものを「隠すからかえって大事になる」とか言って、あっさり処分を受けてしまったり。
う~ん、揺るがない。

シリーズのほかの作品も★五つ。
というか、3作目の竜崎が恋に落ちる話だけは正直どうかと思ったけど。
竜崎にはいつでも超然としていてほしい。
悪友というか腐れ縁というかの同期・伊丹が主人公のスピンオフも面白い。
この二人がいいコンビなんだよ。
竜崎だったらアクが強くなっていたと思うが、伊丹がいるからうまく回っている感じ。
ずっと続いてほしいシリーズだわ。

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マシュー・アムスター・バートン「米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす」

タイトルからして、「英国一家日本を食べる」の二番煎じ。
だが、個人的にはこちらの方が面白いなと感じた。

「英国~」はあくまでお父さんが主役で、子供は何なら足手まといというか、添え物という感じだが、こちらは子供の視点も入っている。
アイリスという女の子が、日本の男の子と仲良くしたり、道行く人にかわいがられたりと、そういうさりげないエピソードがなかなかよい。

あと、こちらは旅行ではなく、短期間とはいえ東京に住んでいた、という違いもある。
中野のアパートに居を構えて、近所の人たちとなじんでいたんだから、筋金入りだよ。
考えてみると、外国では一家三人が一つの部屋で寝起きすることなんてないんだね。
ワンルームのアパートで、「殺し合いにならずに暮らせた」のは奇跡だとか言ってた。
あーそんなものかもな。

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小松エメル「うわん」

この人の作品は、他にも「一鬼夜行」も読んだのだが…。
う~ん…。
キャラクターはかわいらしいし、面白くないわけじゃないんだけど、なんだか読みにくい文章。
すっと読めない。
余計な描写が多すぎる。
思うに、この作者は情景を映像的に考えているんだな。
もちろんそれでもいいんだけど、情景を言葉で表現しようとして、文章の勢いが殺されてしまっている。
情景なんかほどほどにして、スピード感をもっと大事にしたらどうだろう。

この「うわん」は、弟の体に「うわん」という妖怪が取りつき、999の妖怪を退治しないと命が危ういと脅される。
姉の真葛は、女医者として働きつつ、うわんのいうとおりに妖怪を退治していくのだが…。
う~ん…うわんというキャラクターがちょっと定まっていない感じで、これからどう話が展開するのかわからん。

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伊坂幸太郎 阿部和重「キャプテンサンダーボルト」

ああ~噂にたがわず面白かった!面白かった!
こういう話大好きだわ。

異色の二人の組み合わせによる合作小説という触れ込みだが、どちらかというと伊坂幸太郎テイストを強く感じた。
終わり方とか、まさに伊坂っぽい。
でも、冒頭の部分は阿部和重じゃないかな?と勝手に予想。
文体があんまり伊坂っぽくなかったから。
…などという風に、どこをどちらが書いたのか想像しながら読むのもまたよし。

どうやら、お互いの文章にお互いに手を加えていたらしいので、厳密にはどこからどこまでとは言えないみたいなんだけど、微妙にどちらのテイストもあって面白い。
たとえば、桃沢瞳という女性。
伊坂幸太郎が描く女性って、大体ちょっと鬱陶しいキャラというか、あんまり感情移入できないのだが、今回はかなり気に入っている。
二人で作ったからこその造形という気がした。

もちろん、主人公二人もいい。
ただ、言うほど二人のキャラの違いが際立ってなかったのが残念。
途中からそれどころじゃなくなって、とにかくストーリー重視になっちゃったからかなあ。
でも最後の連携プレーは感動です。

あーまたこういうの作ってくんないかな。

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