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上田秀人「奥右筆秘帖シリーズ」

時代小説って、あまり構えずに読めるので、わりとよく読むほうだと思うのだが。
なかなか面白いシリーズに出会えた。

奥右筆という、幕府の事務方を一手に引き受ける役職ある立花併右衛門と、彼の警護にあたることになった隣家の次男、柊衛悟。
この二人が、徳川将軍の父が仕組む悪事に巻き込まれながらも、二人で協力して正義を貫こうとする話。

一応一話完結だが、メインのストーリーはずっとつながっている。
そのたえ、面白い巻もあればイマイチな巻もあるのだが、とにかくこのコンビが絶妙でたまらない。
併右衛門は何かというと「養子の口を探してやる」というのをエサにして、衛悟をこき使っているのだが、実は併右衛門には一人娘がいて…という、設定がたまらない。
衛悟は気が回るタイプではないものの、誠実でかなり強い剣士なので、彼にはぜひがんばってもらいたいわ。

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小野一光「家族喰い」

主犯が自殺したことでうやむやになってしまった、尼崎の連続殺人事件を追ったルポルタージュ。
それにしても、とにかく人間関係が複雑すぎる。
とくにこの本の中では、犯罪に関係ない人を一子とか一男とか仮名にしているので、余計にわかりにくい。

でもその中からでもわかることは、この角田美代子という女が、とにかくかたっぱしから親類縁者を食い物にしてきたという事実。
赤の他人ではなくて、あくまでも何らかのつながりがある親類というところがミソで、家族の問題には警察は民事不介入とかいって口出しできないということをうまく利用していたらしい。

それにしても、警察のだらしなさにはあきれるしかない。
何度も何度も訴えられているにも関わらず、「家族の問題だから」と言って無視。
挙句に主犯にも自殺されちゃうんだから。
警察の無能さにはあきれるばかりですよ。

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「大人エレベーター」

ビールのCMでやっている「大人エレベーター」を元にした対談集。
けっこう昔からやっているCMなので、中村勘三郎とか故人も入っていて切ない。
このころはこんなに元気だったのになあ…。

ホストの妻夫木は、このCMが始まった当初は、かろうじて新人から抜け出して中堅どころになったぐらいだろうか。
今もまだベテランの域には届いていないかもしれないけど、コンスタントに映画に出ていて、わたしは結構好きな役者。
ただ、ホスト役としてうまいかどうかは微妙かも。
とにかく、テーマが「大人」というのは強制的に決まってしまっているので、その周辺の話にならざるをえない。
もう少し自由な対談にした方が面白かったのに。

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パトリック・レドモンド「霊応ゲーム」

イギリスの全寮制の学校を舞台にしたミステリーホラー。
ということで、すっかり耽美的な世界を想像していた。
確かにそういう雰囲気もあって、序盤は萩尾望都の「トーマの心臓」によく似ている展開になるのだが、後半は半端じゃなく血なまぐさい。
こんなに人が死んでいいのか…?ということに。

家が裕福でないことからいじめられているジョナサン。
教師から疎まれている彼を救ってくれたのは、孤高の少年のリチャードだった。
二人は次第に固い友情で結ばれていくのだが、リチャードの出自には恐ろしい秘密が隠されていた。
それを知って怯えるジョナサンを、リチャードはついに追い詰めはじめる。

タイトルの「霊応ゲーム」というのは要するにコックリさんのこと。
まあそういうタイトルじゃ全然緊迫感がないのでこのタイトルにしたんだろうけど、いまいちどんなゲームかわからないよね。
最後はこれがゲームじゃなくなっていく…というような展開になるんだけど。
思春期の少年をまとめておくと、ロクなことにならないなという教訓を得たわ。

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テリー・ヘイズ「ピルグリム」

おあーなんてこった!
面白すぎる!面白すぎるよ!!

たまーにこういうことがあるのだが、あまりにも面白い本を読んでしまうと、同じくらいのレベルの本をついつい求めてしまい、何を読んでも面白くないという状態になってしまう…。
まさに今この状態。
どうしてくれよう…。

内容は、CIAのなかでも存在しないことになっているある組織に所属している暗号名「ピルグリム」のストーリー。
命じられたこと(一応は国家の正義)のためならば、人を殺すことにもためらわない。
そんな彼に命じられたのは、天然痘のウイルスをばらまこうとしているテロリストを食い止めること。
驚異的な推理力と身体能力を駆使して、正体のわからないテロリストを追いかけるのだが…。

前半は、このテロリストの生い立ちとピルグリムが遭遇した殺人事件のエピソードが交互に入っていて、この先どうなるのかさっぱりわからないのだが、それがつながったあたりから抜群に面白くなる。
全3冊だが全然長くは感じない。
どうやら続編を出す予定があるらしいのだが、ぜひ早く出してほしい!

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