« 鷹見一幸「宇宙軍士官学校」 | トップページ | 堀川アサコ「たましくる」 »

梶尾真治「怨讐星域」

よく考えたら、梶尾真治の本を読むのは初めてかもしれない。
かなり特殊な発想のハードSF。

太陽のフレア化により、地球が飲み込まれようとしていることが判明。
アメリカ大統領と選ばれた3万人の人々は、ひそかに「ノアズ・アーク」という宇宙船を作り、地球から脱出。
残された人々は、彼らを呪うのだが、そのとき物質転送装置が発明され、ノアズ・アークの人々よりも先に、彼らの移住先の惑星へと転送していくことに。
だが、無事にたどり着けた人々はごくわずか、しかも未知の生物が跋扈している惑星ということで、開拓者となった人々は団結してそれらの脅威と戦い、子孫を残していく。
ノアズ・アークの人々をひたすら呪いながら。
一方、ノアズ・アークの中でも世代交代が起こり、百年以上の年月をかけてたどり着いた先には、すでに知的生命体がいることを知り…。

同じ人類が、別の方法で惑星移住を果たし、再び邂逅するまでをオムニバス形式で描いていく。
転送装置とか、三万人が移送できる宇宙船とか、初期設定に無理はあるけれども、それぞれに自分の人生を必死に生きていく様がなかなか泣かせる。
特に好きだったのは、移転することを選ばす地球に残った人々のエピソード。
最後の日までを悔いなく生きるために、するべき仕事はきちんとし、出会いを大事にしていくというのがとてもいい。

一番気になったのは、最後に邂逅したあとにどうなったかというところだが、SFとしてはかなり生ぬるい終わり方とはいえ、ここまで引っ張って最後救いようのない結末というよりはずっとマシかと。

|

« 鷹見一幸「宇宙軍士官学校」 | トップページ | 堀川アサコ「たましくる」 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 鷹見一幸「宇宙軍士官学校」 | トップページ | 堀川アサコ「たましくる」 »