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高峰秀子「私の渡世日記」

日本の大女優、高峰秀子の半生をつづった手記。
子役時代から結婚するまで、波乱にとんだ人生を、軽妙な筆致で描いている。
子どもの頃からほとんど学校に通えなかったということだが、文章がとてもいい。
うまいというのではないけれど、素直でてらいのない、面白い文章に仕上がっていると思う。

よくよく見てみると、それほど美人というわけではないんだよね。
目は細いし、わりと平べったい顔立ちだし。
でもこれだけ売れたというのは、演技力はもちろんだけれども、いろんな人にそのキャラクターを愛されたからじゃないかという気がする。
この本の中でも、谷崎純一郎とか梅原龍三郎とか東海林太郎とか、各界の著名人に気に入られていたことが書かれていたし。
大体、子役出身は大人になると役がなくなっていくものだけれども、ずっとその年齢に合わせた役が途切れることがなかったというのは、女優としてだけではなく、一人の人間として魅力的だったからだろう。

それにしても、母親との確執は読んでいてつらいものがあった。
実際には叔母に当たる人が育ての母になったみたいだけれど、「生さぬ仲」だからこそなのか、一時は憎み合うような関係にもなりながら、最後母親が認知症になるまできちんと看取ったり。
家族が一番、付き合うのが難しいのかもしれないな。

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