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中島京子「かたづの!」

こちらも歴史に翻弄される女性の話。
東北の小藩で幼馴染の夫と幸せな生活を送っていたねね。
ふとしたことで出会った、一本角の羚羊を可愛がるのだが、のちにその羚羊は一本の角(かたづの)となり、物語の語り手としてねねを見守っていく。

頼りにしていた夫が若くして突然死に、後継ぎとなるはずだった長男も続けざまに亡くなってしまう。
失意の中で、ねねは藩を守るために自ら女主人となることを決意する。
「かたづの」の持つ不思議な力に助けられながら、ただひたすら「戦わない」ことで自分たちを守ろうとするのだが…。

正直、決して後味のいい話ではない。
それどころか、かなり陰惨な話なのだが、語り手が「角」というユニークさと、河童たちがねねを助けてくれたりと、ところどころに中島京子らしいユーモアがあふれている。

それにしても、ねねの叔父がすさまじい。
敵を毒殺するために、自分の息子に毒見させて、結局は息子ともども殺してしまう。
こういう暗黒の時代があったんだなあ。

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