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ローラン・ビネ「HHhH」

かなり変わったタイトルの本で、読むまえはずっと「ハハハハ」と読むのかと思っていた。
笑い声かと。
正解は「ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる」の頭文字。
ハイドリヒの暗殺事件と、それを執筆する過程をまとめて小説にしたというかなり変わった構成の本。

ハイドリヒというのはナチスの幹部で、ヒムラーの懐刀として有名だったらしい。
彼を殺すためにロンドンから暗殺者がプラハへと派遣されて、現地での協力者を得て、さまざまなアクシデントに見舞われながらも、暗殺に成功する。
だが、その報復として、その街の人々全員が虐殺されてしまう…。
これが小説ではなくて現実だというのだから本当に恐ろしい。

あまりにも血なまぐさい歴史的事件なのだが、それをこの著者が「なるべくフィクションを排除してありのままに書く」という使命のもとに、取材しながら書いていく様子が同時進行で挟まれている。
「こういう表現は事実とは違うかもしれないからダメだ」とか、そういうモノローグが頻繁に挟まっている。
だからこそ、読者はある意味客観的に読めるようになっている。

でも小説に慣れてしまっている私にとっては、いちいち現実に引き戻されてしまう感じがして、ちょっと読みにくかった。

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