« 2016年4月 | トップページ | 2016年6月 »

チャールズ・スコット「スコット親子、日本を駆ける」

日本人の奥さんを持つスコットさんが、8歳の息子を連れて、二人乗り自転車で日本を縦断するというドキュメンタリー。

このシチュエーション、どっかで…と思ったら、「YOUは何しに日本へ」だよね。
まさにあの番組に、家族連れで自転車で日本を旅する人たちの話があったと思う。
家族全員というのも大変だが、父親が8歳の息子を連れて旅するのもかなり大変。
途中でぐずる息子をゲームセンターでご機嫌とりしつつ、なんとかゴールにたどり着く。

途中でいろんな人との出会いがあって、「日本人も捨てたもんじゃないな」と思うところもなくはないのだが、ちょっと気になったのは、息子が公園で見知らぬ子どもと遊ぼうとして拒否られてしまうところ。
う~ん…なんか切ない。

| | コメント (0)

長岡弘樹「教場」

図書館で予約がたくさん入っていたので、そんなに人気なのかと思い借りてみた。
う~ん…予想とだいぶ違う話だった。

警察官を目指す若者たちが集まる警察学校。
みんな志は一つ…のはずなのだが、閉鎖的な環境で次第に人間関係がおかしくなっていく。
さらに、得体のしれない教官も登場し…。

これ、何か似ているなーと思ったら、「ジョーカー・ゲーム」だった。
太平洋戦争中の架空のスパイ養成所の話。
雰囲気というか、教官とその教え子の関係性がまんま同じ。
ただ、あちらはスパイだからだましあいが当たり前だけど、こっちは警察官だからね。
警察官がこんなに病んでいるやつばっかりだと思うと、げんなりするわ。
これ、警察学校である必要あったのかな。

| | コメント (0)

吉野万里子「ロバのサイン会」

こちらは、動物は動物でも、しゃべる動物。
動物視点の短編集なのだった。

「吾輩は猫である」もそうだけど、動物視点はなさそうで結構あるものだが、この本はなんと「蝶」の一人称まであって、徹底している。
蝶にはたしてアインデンティティなんてものがあるのかなんて野暮なことは言いっこなし。

タレントとして活躍する猫や、寿命間近のオウム、テレビ番組で人気が出たロバなど、どれも人間の都合で振り回される動物たちが登場する。
でも、それほど湿っぽくならないのは、動物たちがわりとサバサバしているからだろうな。
ほんのり感動させつつ、うまくまとめている短編集だった。

| | コメント (0)

片野ゆか「動物翻訳家」

動物翻訳家とは、動物園の飼育係りの人のこと。
言いえて妙だな~と、猫飼いは思う。
動物って、具合が悪くても何も言わないんだよね。
でも、言葉にはならないけど、ささいな行動とかで何が言いたいのかを知ろうとしないといけない。

ここに登場する飼育員たちは、みんなペンギンやらキリンやら、それぞれに愛情を持って接しているのだが、それでも思いがけないことが起きてしまう。
しかも、動物園というのは、まずは人に来てもらわないといけない場所で、動物にとって心地よい空間と、動物園としての経営とのはざまで、かなり苦労しているんだろうなあ。
最近は旭山動物園の影響で、少しずつ動物の本来の生態に近い飼育のかたちがふつうになってきたけれど、一昔前の動物園を思うと隔世の感があるな。

| | コメント (0)

北村薫「八月の六日間」

うん、なんというか紛うことなきアラフォー女性の登山小説。
すがすがしさもあるが、物足りなさもある。

日々仕事に追われる女性編集者が、息抜きにと休みをとって単独の登山旅行に出かける。
一人で登山するのは気楽で、しかも現地での出会いがまた楽し。
体調が思わしくなくて予定通りにいかないことも、登山で出会った人と下界で再会したりと、思わぬ出来事も起こるのだった。

ということで、癒される…というにはあっさりしすぎかな。
途中で、過去に同棲していた相手が、若い女性と結婚したという話を知って動揺する、というエピソードがあるが…。
これはこれで、過去の思い出と片付けるには苦すぎるので、あんまり癒されるところじゃない。

とはいえ、登山が好きな人にはいいかもしれない。
わたしは個人的に登山はしないので、まったくわからないが。
でも、単独行とは言っても、素人ではとてもいけないようなかなり本格的な登山。
あとがきに「主人公は登山に慣れているので、ふつうの人は簡単にまねしないように」とかなんとか書かれてあった。
確かに、なんかこれなら自分でも登れそうと思っちゃうかもね。

| | コメント (0)

« 2016年4月 | トップページ | 2016年6月 »