« 西加奈子「まにまに」 | トップページ | 葉室麟「はだれ雪」 »

中島京子「長いお別れ」

認知症の父親をめぐる話と聞いて、ちょっと読む気がなくなりそうだったんだが、結果としては読んでよかった。
だいたい、こういうテーマにすると最後は切ないし、途中もいろいろあって哀しい話になりがちなんだけど、あんまり悲壮感がなくてよかった。

茉莉・菜奈・芙美の三姉妹の父親がアルツハイマーと診断されてから数年。
薬の効果がなくなり、症状が一気に悪化してしまう。
介護に明け暮れる妻と、気にはしていても、自分の生活が最優先で、なかなかフォローできない娘たち。
元教師だという父親は、最初は記憶があいまいだったり、言っていることがちぐはぐだったり、という程度だったのだが、段々と会話を交わすのも難しくなり…。

「長いお別れ」というのはいいタイトルだなあ。
癌で急に死ぬのと、認知症でゆるゆる死んでいくのと、どちらがいいのか悩むところだが、こうしてゆるゆる死んでいくのも悪くはないのかも、と思わせる作品だった。

|

« 西加奈子「まにまに」 | トップページ | 葉室麟「はだれ雪」 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 西加奈子「まにまに」 | トップページ | 葉室麟「はだれ雪」 »