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乾くるみ「イニシエーションラブ」

あー…失敗した。
これはもっとニュートラルな視点で読まないとダメだな。
「最後の一行でひっくり返される」という先入観のせいで、途中からネタがわかってしまって、全然楽しめなかった…。

そもそも、いろいろ疑おうと思えば疑える伏線が貼ってあるのよ。
だから二度読みが成立するんだけれども。
それにしても、タイトルの意味がようやく理解できた。
なんかヘンなタイトルだなあと思っていたんだけど、要するに「木綿のハンカチーフ」と思わせておいて…という話だったんだな。

あまりにも話題になってしまったせいで、読む前のハードルが高くなっていたのは失敗だった。
それにしても、これどうやって映画化したんだ?
映像を使うと叙述トリックが使えないから、ずるくないか。

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伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい」

う~ん…これは伊坂作品としてはイマイチだったな。
正直設定がひどすぎて辛い。
「1986年」だっけ。あれを思い出す。

治安を守るという名目で、不穏分子の密告や公開処刑がまかり通っている近未来。
全身黒づくめの謎の「正義の味方」が現れて、市民の危機を救うという事件が起きる。
警察はその正体を見極めようと、とある個性的な刑事に捜査をさせるのだが…。

わりといつもそうなんだけど、一応正義が勝ったとしても、社会の構造自体が変わるわけではないんだよね。
というのも、「悪」というのは一人じゃなくて全体だから。
こういう全体主義への憎悪を隠さないというのも伊坂幸太郎の特色なので、ストーリーの面白さいかんにかかわらず、こういった作品も書き続けてほしいなと思う。

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柚木麻子「3時のアッコちゃん」

アッコちゃんシリーズ第二弾。
それほど大したストーリーではないのだけれども、ほんわか元気が出てくる。

クリスマス商戦に向けて、シャンパンを売り出す企画に参加することになった三智子。
何も決まらない会議に憂鬱になっていたとき、アッコさんがいる移動販売と再会。
その会議のお茶菓子を用意するから、自分もそこにいさせろというアッコさんに、断りきれない三智子。
だが、アッコさんのアドバイスで、少しずつ会議の方向性が変わっていき…。

あーこういう会議あるある。
という、会社員あるあるにあふれた短編集。
まあ、実際はこんな風にうまくいくことはない(出てきたアイデアもそんなに大したことはない)のだが、そこは小説だからいいよいいよ。
就活中の女子学生のついていない一日の話もよかった。
働く女子の味方になるような小説ってあんまりないんだよなあ。

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恩田陸「消滅」

恩田陸なあ…以前は好き好き!という感じだったけど、最近は正直裏切られてばっかり。
出だしはいいんだよ。
すごく面白そうなんだよ。
でも終わり方がなあ~。ここを克服しないと、どうしようもない。

とある空港で、突然足止めされた人たち。
彼らはテロリストではないかという疑惑から集められたのだった。
そこに突然接待役として現れたアンドロイドから「自分たちで犯人を捜してください」と言われ、戸惑う彼ら。
とにかく、一刻も早く帰宅したい一心から、いろんな手がかりを開示して、お互いの共通点や、そして動機などを探ろうとするのだが。

読んだことないけど、萩尾望都の「11人いる!」へのオマージュなのかな。
一人だけ仲間外れを探そうというあたり。
しかし、お互いの名前すら知らないという設定なので、個性が際立ってこないのよ。
いつまで経っても、どれが誰だかよくわからん。
で、最後はわりとお定まりの展開だし。
タイトルが「消滅」というのなら、その伏線を張っておかなきゃだめだろ。
お互いのコミュニケーションがうまくいかないとかさあ。
あああ。

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