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高田郁「蓮花の契り」

みをつくしシリーズが終わってしまって寂しい思いをしていたら、「出世花」の続編が出ていた。

亡くなった人を清める「湯灌」を仕事としている縁。
その丁寧な仕事ぶりが認められ、縁を指名して湯灌を頼んでくる人たちが増えてきた。
そんなとき、桜花堂の若旦那が、「嫁と姑がうまくいっていないので、姑のためにも、しばらくうちに逗留してくれないか」と申し入れてくる。
実は、桜花堂のおかみは縁の実の母親で、さる事情からずっと離れ離れに暮らしていたのだった。
戸惑いながらも、住職のすすめもあり、しばらく桜花堂へと身を寄せることするのだが…。

途中で永代橋の落下という大事件も起きたりして、意外とはらはらさせられる展開。
それにしても、この事故でずいぶんたくさんの人が亡くなったんだなあ。
溺死した人をひとりひとり清めていく様子に、東日本大震災を思い出したのだった。

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星野源「星野源雑談集」

星野源の対談集。
タイトルは「雑談」となっていて、確かに何かテーマのある対談ではなく、とりとめなくしゃべっている印象。
でもそれがかえってよかったかも。

笑福亭鶴瓶とか、みうらじゅんとか、ケンドーコバヤシとか、とにかく星野源自身が好きな人ばっかりを集めているので、そのリスペクト感が読んでいる側にも伝わってきた。
どうしても対談って、最初はさぐりさぐりな感じになりがちなんだけど、星野源が「大好きなんです!」というのを前面に押し出してるので、相手も悪い気はしないし、終始和やか。

ただ、途中で星野源がくも膜下出血で倒れて、しばらく中断していたんだよね。
その後再開して、また対談も続いているわけだが…。
最近また忙しくしているみたいで、正直心配。
若いからってあんまりムリすんなよ。

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アンディ・ウィアー「火星の人」

映画では「オデッセイ」というタイトルだったが、「火星の人」の方がしっくりくる感じ。
なぜなら、SFではあるけれども、主人公のとる行動がいちいちアナログだから。

火星探検にやってきたマークは、不慮の事故に遭ったために死亡したとみなされ、火星に一人置き去りにされてしまう。
気付いたときには、チームのみんなは地球への帰還ルートに入っており、再び火星に人がやってくるまでには4年もの年月がかかる。
そこでマークは、自分の知識をフル活用して、火星で食料となる「じゃがいも」を育てることにする。
様々な困難に遭いながらも、決してあきらめることなく自分が生き残れる道を模索するマーク。
そんな彼の姿が、宇宙衛星からの映像に映し出されて、ようやくNASAがマークの生存を知ることに。
だが、救援活動も困難続きで…。

とにかく、宇宙の知識が半端ない。
宇宙開拓に持っていく荷物から、物理法則、手持ちの道具で切り抜ける方法などなど…。
作者は「宇宙オタク」らしいのだが、それがいかんなく発揮された作品だといえる。
しかし、SFだと思って読むとちょっとがっかりするかも。
やっている方法はひたすらリアルだから。そこが面白いんだけど。

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マーク・グリーニー「米朝開戦」

トム・クランシーの「ジャック・ライアン」シリーズ。
作者が亡くなってしまったので、「グレイマン」のマーク・グリーニーが後を引き継いで書き続けているという。
そう、これがマーク・グリーニー作でなければ、正直読んでなかった。

思えば、「愛国者のゲーム」とか「今そこにある危機」とかは面白かったのだが、そのあとライアンが大統領になるあたりからちょっとワンパターン気味になってきて、読まなくなってしまったのだった。
久しぶりに読んだのだが、作者が変わったせいか、テンポもいいし盛り上げ方もうまい。
敵国が北朝鮮という設定なんだが、指導者なんかは架空なんだけどほどよくリアルで(でも完全にリアルではない)、そこらへんのさじ加減もうまかった。

それにしても、ライアンは完全に息子世代になっていたんだな。
シリーズ当初はまだまだちっちゃな子どもだったのに…ジュニアの成長が嬉しくもあるが、なんかヘンな女にひっかからないか心配。
今度の作者ならラブシーンはないか?

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