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藤谷治「船に乗れ!」

音大付属高校が舞台ということで、吹奏楽部出身の私には共感できるかと思い読んでみた。
ところがなあ…。

音楽一家に育ったサトルは、チェロで音大付属の高校へと通うことになる。
その学校はサトルの祖父が理事長を務めているのだが、音大付属の高校としてはかなりレベルが低い学校だった。
「プロになれるかどうかギリギリ」という生徒たちが集う中、一際目立つ才能を持つバイオリニストの南と親しくなり、やがて二人は付き合うようになる。
だが、サトルが親類の紹介でドイツに留学することになり、すべてがおかしくなってしまう。

わたしは中学の吹奏楽部だったから、音大付属のオケとは状況がだいぶ違うのだが、プロを目指して小さいころから練習してきた生徒ってこんな感じなの?
一人で演奏することには慣れているけど、合奏したことがないから、オケで合わせようとしたらバラバラとか。
普通に楽譜を追っていたら、そうそうバラバラにはならないと思うけどなあ。
元の曲を知らないというならまだしも。
まあ、弾いている曲のレベルが違うんだろうけど。

音楽面はさておいて、ストーリーもなあ。
これが青春小説として今一つ人気が出ないのは、サトルと南の別れ方が救いようがないから。
ほろ苦いなんてもんじゃない。はあ!?って感じ。
そして自暴自棄になったサトルが、恩師にした仕打ちもまた許されるものじゃない。
青春の蹉跌なんて言葉じゃ表現できない悲惨さが、読者を打ちのめすのよ。
あんまり学生にすすめたい話ではない。

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