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奥泉光「ビビビ・ビバップ」

わたしのオールタイムベストワンの小説「鳥類学者のファンタジア」の続編がついに!
まあ厳密には続編とも言い難いのだけど…。

21世紀末、前作のフォギーの血縁にあたるキリコは、AIで多大な功績を持つ知人に、「自分の葬式でピアノを弾いてほしい」という依頼を受ける。
ところが、その依頼人の死は秘匿され、彼の頭脳をコピーした人工知能が暴走を始めてしまう。
フォギーはその渦中に巻き込まれてしまうのだが…。

登場人物は全然違うんだけど、前作とほとんど同じという。
フォギーは別人だけどフォギーのまんまだし、彼女を「師匠」と慕う少女も登場するし、そしてロボットだけど猫も登場する。
あと、何より読者を喜ばせるのが、仮想現実の世界で再現された70年代の新宿。
混沌としたなかにも、若き日の寺山修司やらビートたけしやらが集って、なんだか楽しそう。
こういう遊びができちゃうところが、奥泉光のいいところなんだよな。

ただ、難を言えば、設定が近未来なのでいろいろと状況が感情移入しづらいところだろうか。
たとえば、本屋が駆逐されて、紀伊国屋書店が「本を全部ここに並べて売るなんて効率の悪いことをしていたの?」と驚かれる場面。
まあ確かにそうなんだけどさ…。

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