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ジャニス・P・ニムラ「少女たちの明治維新」

明治時代に、岩倉使節団とともに海を渡った少女たち。
津田梅子、大山捨松、永井繁の3人にスポットを当て、どのようにアメリカでの生活を送っていたのか、そして帰国後彼女たちはどのような道を生きることになったのかを、丹念な取材でつづる。

津田梅子と大山捨松は有名だけど、もう一人いたことは知らなかった。
この人はすぐに結婚して子供を産んだので、特に歴史に名を残すようなことはなかったのだが、明治政府の肝いりでアメリカに旅立ち、その成果を特に求められることもなかったというのが、当時の女性の微妙な立ち位置を想像させる。

日本に帰国したあとはいろんな資料があるのだから、個人的にはアメリカの生活をもうちょっと詳しく描いてほしかった。

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池井戸潤「銀翼のイカロス」

半沢直樹シリーズ最新刊。
前作の「ロスジェネの逆襲」はちょっと半沢が大人しかった印象だが、今回は本領発揮。

とある一大航空会社が経営破たんしそうになり、半沢が名指しでその再建に取り組むことになる。
だが、当の会社は全く切羽詰っておらず、半沢たちをやきもきさせるのだが、その背後には政権交代したばかりの政府の思惑が潜んでいた…。

まんま、JALと民主党の話なので、ちょっとあからさますぎて鼻白むところがなくもない。
この作者は民主党が嫌いなのかな?
だが、ストーリーはやっぱり面白かったなあ。
大河ドラマも終わったし、そろそろ堺直人もこっちのシリーズに戻ってきてくんないかしら。

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三浦しをん他「罪と罰を読まない」

タイトルからして強烈なのだが、要するにドストエフスキー「罪と罰」を読まないで語る、というコンセプトの本。
名作って、読まなくてもなんとなーくストーリーがわかっていたりするのだが、そういうあいまいな記憶のままに、この本について4人が語るという大胆企画。

もちろん、最初から最後まで全く未読、というのでは話が進まないので、数ページだけ抜粋して読みあげてもらい、そこから前後のストーリーを推理したりもする。
でも、それだけでも結構話がわかっちゃうから不思議なものである。

三浦しをんのほか、岸本佐知子とあとはクラフトエヴィング商会の二人という、なかなかな人選。
この中では、三浦しをんが飛びぬけてテンションが高かったなあ。
そのおかげで推理が進むんだが、その場の雰囲気がどうだったのか気になる。
そして、「罪と罰」は読むと結構面白そうだということがわかった。読まんけど。

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冲方丁「冲方丁のこち留」

冲方丁が奥さんへのDVで逮捕されたというニュースには、わたしもかなりショックを受けた。
冲方丁の対談集なんかを読んでいたので、DVとかするタイプには全然思えなかったから。
でも人は見かけによらないし、もしかしたらそういうこともあるのかも…と失望とともに思っていたのだが、実は冤罪だったらしい。
冤罪だという報道は全然なかったじゃん!
この本を読まなければ、ずっと有罪だと思っていたよ。

とある打ち上げの席で、突然冲方のもとに警察がやってくる。
最初は理由をはっきりと言わなかったが、次第に「妻がDVを受けて前歯が折れたと訴えた」ということが判明。
否認した彼はそのまま留置場へと入れられる。
そこで出会ったヤクザの幹部らしき人に弁護士を紹介され、そこから徹底的に抗戦する日々が始まることになる。

しっかし、自衛隊といいこちらの警察といい、日本の組織は腐ってんな。
捜査の可視化がすすめられているとか言っているけど、これだけ現場でめちゃくちゃなことが行われていたら、可視化が進むわけがないな。
冲方丁はたまたま弁護士にも恵まれて、しかも著名人だったということもあり、うまく留置場から出ることができたが、他の人はそのまま冤罪で懲役刑をくらってしまうことも大いにありうる。
こわいなあ。
それにしても、冲方丁の奥さんはいったい何を考えているんだろう?
別れたいにしても、いきなり逮捕させるのはやりすぎだろ。

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大島千佳「自衛隊の闇」

自衛隊で起きたイジメ自殺事件を追ったノンフィクション。
太平洋戦争中の話なんか読むと、陸軍よりも海軍の方がかっこいいみたいな感じだけど、海上自衛隊って恐ろしいところだな。
服務中に、堂々とモデルガンで狙い撃ちにして、挙句いろんな言い訳してお金を巻き上げ、徹底的に苛め抜く。
しかも、それを艦長以下の乗組員全員が知っていたにも関わらず、見て見ぬふりをしていたという。

残された遺族が真相解明のため、必死の思いで自衛隊内の兵士たちに行ったアンケート結果を掘り出そうとするのだが、「紛失した」の一言で片づけられてしまう。
ところが、それすらも虚偽だった。
内部通報によって、(いじめは存在していたという)アンケート結果はきちんと保管されていることが判明。
ところが、内部通報した兵士にまで、迫害の手が及ぶ。
言っておくがこれは小説じゃなくてノンフィクションだからな。
なんか日本の行く末が恐ろしいわ。

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