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高橋和巳「邪宗門」

新年あけましておめでとうございます。
今年もできるだけアップしたいけど、ブクログの方に移行するか考え中。
あっちは結構いろんな人が見るから、いい加減なことはかけないしなあ。

ということで、長年リベンジしなければと思っていたこの作品をようやく読了。
確か、中学か高校ぐらいのときに一度読んでいるのだが、ストーリーをほとんど覚えていなかった、というか飛ばし読みで全然頭に入っていなかったので、いつかリベンジしたいと思っていたのだ。
それが文庫化されたので、ようやく読んでみる気になった。

多くの信者を抱えた新興宗教・ひのもと救霊会。
その教祖は、政府による宗教弾圧によって投獄され、主軸を失ったひのもと救霊会は迷走を始めてしまう。
教祖の娘である阿礼は自尊心に満ち溢れた高飛車な少女で、その妹の阿貴は小児麻痺にかかったせいで足が不自由で、ろくに学校に行くこともできなかった。
そんな二人の前に、孤児である千葉潔がやってくる。
人たらしともいえるような不思議な魅力を持つ千葉潔に姉妹は翻弄されるが、やがて阿礼は教団を守るために嫁いでいき、阿貴は教祖代行となって教団に残る。
しかし、教義をめぐって信者たちは次第に分裂していき、ついに千葉潔が勝ち目のない強硬策を断行する。

前回読んだときには気づかなかったけど、これは「大本教」という実在の新興宗教の宗教弾圧がモデルになっていて、それだけに教団が出来上がるまでの経緯がかなりリアル。
あと記憶と違っていたのは、わりと主人公たちの子供時代が長くて、最後に教団が崩壊するところは結構あっという間だったこと。
もっと最後の部分が長かったような気がしたんだけど。

それにしても、これだけの大作をよく日本で生み出せたなというのが、一番の感想。
新興宗教が陥りがちな展開といい、千葉潔の造形といい、なんというか日本文学が誇れるような作品だと思う。
今読んでも、途中理解しにくいところが結構あった。
もっと評価されてもいいはずなんだけど、難解だからなあ。
もし高橋和巳が生きていたら、ムラカミハルキなんて目じゃないほどにノーベル賞受賞の資格があったと思うよ。

なぜ中学高校とかいう時期に無謀にも読もうとしたかというと、親から何度も「本当は阿貴という名前にしたかった」と言われていたから。
でもさあ、はっきり言って不幸な少女なのに、こんな名前付けられたらたまんないわ。

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