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ジェフリー・ディーヴァー「煽動者」

もはやリンカーン・ライムシリーズはほとんど読んでないのだが、このキャサリン・ダンスシリーズは読んでいるのだった。

相手の心理をちょっとしたしぐさなどから分析するダンス。
しかし、とある証人が嘘をついていることを見逃してしまい、捜査から外されることに。
代わりに担当することになったのは、あるライブ会場で起きた火事事件だった。
最初は単なる事故と思われたのだが、誰かが意図的に会場をパニックに陥れたということに気付き、犯人を追い始める。

意外なことに、火事の犯人はけっこうあっさり捕まってしまい、なんだか拍子抜け。
ダンスが失敗した証人が絡んでいる事件の方が、実はどんでん返しだったのだった。
まあディーヴァーにどんでん返しは当たり前なので、これはこれでよかった。
それにしても、意図的にパニックを作るというのは怖いな。
遊園地で「テロが起きた」というデマを流して、みんながパニックになって出口に殺到したせいで、死人が出てしまうという。
本人は手を汚さずに犠牲者が出る。
ただ、これはちょっと誇張があるかもな。
人間には「正常性バイアス」というのがあって、何か事件とか事故とかがあっても「大したことはない」と自分を思い込ませてしまうらしいから。

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ピーター・トライアス「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」

う~ん…はっきり言って趣味じゃなかった。
ぜんぜん予想と違ったな。

太平洋戦争末期、アメリカで収容所に入れられていた日系人たちは、日本が戦争に勝利したことを知る。
日本は、アメリカを統治して、収容所で生き残った日系人たちの子孫が、天皇の名のもとに、逆らうものたちを一方的に始末していく、恐怖政治を行っていた。

日本が戦争に勝っていたらこうなるという、最悪のデストピアSF。
まあそれは別にどうでもいいのだが、とにかく拷問シーンが気持ち悪すぎる。
両手を毒アリに噛ませたりとか…もっとひどいのもあったな。
なんか表紙を見ると、日本がロボットを使って、世界を支配していく的な話かと思ったら、全然違ってた。
ロボット、どっかに出てたか?
ぜんぜん印象に残ってないが。

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スティーブン・キング「ザ・スタンド」

とにかく、最近は長編が読みたくてしょうがない。
一冊ずつ面白そうな本を探すのがめんどくさくなってきたというのもあるのだが。
じっくり読ませる話が欲しい。

ということで、「ザ・スタンド」全5巻を借りてみた。
長いことは長いんだが、1巻目がなかなか話が進まなくてイライラした。
どうも、最初はそこをカットしていたらしいんだが、そのあと完全版として出しなおしたらしい。
カット版でよかったんじゃ…。

とある研究所から、致死率99%という恐ろしいウイルスが漏れ出してしまう。
アメリカ国民は次々と罹患して死亡していき、生き残ったのはごくごくわずかな人間だけだった。
彼らは、「マザー・アビゲイル」の夢の導きに従って、次第に一か所に集まりはじめる。
だが同時に、彼らを狙う闇の男も存在したのだった。

1巻目はとにかく、ドミノ式に次々に感染していく様が描かれているだけ。
2巻からようやく話が動き出す感じ。中心人物も1巻ではよくわからない。
しかし逆に5巻では話が動きすぎてびっくり。
カタルシスっちゃあカタルシスだけどさあ…。
話が長い分、登場人物に感情移入もしているので、かなり哀しい終わり方。
まあ救いはあるけど。
それがキングのいいところだな。

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王城夕紀「青の数学」

数学×青春小説。
としか言いようがない。

数学に魅せられ、ひたすら数学に取り組み続ける栢山。
高校に入学し、周囲に影響されながら、「数学とは何か」「自分にとっての数学の意味」を考えはじめるようになる。
そんなある日、ネット上の数学バトルに誘われて…。

う~ん…1巻目はわりと面白かったんだが、2巻がね。
とにかく、数学バトルバトルバトル…。
バトルはいいんだが、どういう内容なのかが全く描かれていないので、「○○が勝った」「××が負けた」みたいなことになっていて、何が行われていたのか全然わからん。
ここをもうちょっと丁寧に書くべきじゃないのか?
もちろん、小難しい数式を並べても読者がついてこないと思ったんだろうが、それにしてももう少しチラ見せしてくれないと。
数学の成績が2の私には理解できないと思うが。

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道尾秀介「スタフ」

久しぶりに道尾秀介を読んだが、面白かった。
ストーリーも面白いのだが、細かい描写がツボにはまった。

ワゴンでデリを販売する仕事をしている夏都。
離婚したあと、海外で働く姉の息子と二人で生活をしている。
ある日、いつものようにデリの準備をしていると、保健所の人間と名乗る男がやってくる。
言われるがままに男についていくと、とある美少女の元に連れてこられる。
どうやら、少女は姉を脅している女と夏都を勘違いしているようで…。

けっこう話が入り組んでいるので、なかなか説明が難しいが。
一言でいうと、「みんなさびしい」という話かな。
さびしさゆえに犯してしまった過ちというか。
気持ちはわかるだけに、責める気にはなれない。
まあそれはそれとして、いろいろうまくいきすぎな感じはあるけど、それも持ち味か。

登場人物のキャラが濃いのだが、その描写がうまいのでくどくはない。
でも読むのにちょっと体力がいる感じかな。

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