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石井光太「鬼畜の家」

誰でも新聞で目にしたことのある、親による子殺しの事件を追いかけたルポルタージュ。
あの有名な事件の背景にはこんなことがあるのか…とやるせなくなる。
要するに、子供を殺しても平然としているような親は、自分もそういう親に育てられているという、負の連鎖だったのだな。
しかも、その犯人が住んでいるところが、うちのすぐ近所なんだよな。
まあ治安のいい場所ではないとはわかっていたけど、ここまで「場末感」たっぷりに書かれるとフクザツな気分。
普通に住んでいると、そこまでひどい場所じゃないんだけどな。

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ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」

「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」に続く三部作の最後。
という触れ込みだったが、カミーユがとことん報われない。

パリの町中で、宝石店が襲われる事件が発生する。
犯人が出てきたところに鉢合わせし、暴行を受けて瀕死の状態になった女性は、実はカミーユの恋人だった。
カミーユは二人の関係を隠したまま、犯人を捕まえようとするのだが…。

前作でカミーユと独特な絆を築いていたアルマンが、冒頭で病死していることがわかって、ちょっと寂しい。
全体的に「アレックス」に比べると最後の衝撃がやや弱いが、それでも「そういうことだったの!?」とちょっとビックリする。
このままでは終わらない気もするが、どうなんだろう。

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黒川博行「喧嘩(すてごろ)」

安定の二宮&桑原シリーズ。
ストーリーはいつもかなり込み入っていて、今回も途中からよくわからなくなってきた。

学生時代の友人から、選挙で起きたいざこざを解決してほしいと頼まれた二宮。
ヤクザが絡んでいると知り、いやいやながらも桑原に伝手を頼んだのだが、選挙に立候補した政治家の裏を知り、それを使って大金を手にしようとたくらみはじめ…。

今回はシリーズの中ではわりと短い話だった。
もっと破天荒になってもいい感じだが、桑原がまたヤクザに復帰しそうなので、そうなったらまた派手にやらかしてくれるかもしれない。

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リチャード・アダムズ「ウォーターシップダウンのウサギたち」

「ザ・スタンド」でこの本に関する記述があり、ちょっと興味を持って読んでみた。
読んでみてビックリ。

とある丘に平和に暮らしていたウサギたちだが、ある日、預言者としての素質を持つファイバーが「早くここから出ていかないと大変なことになる」と告げる。
それを信じて群れを抜け出たのは、ヘイゼルをはじめとするウサギたち数匹だった。
ウサギにとってはあまりにも長い長い旅が始まった…。

なにがビックリしたといって、「冒険者たち」(ガンバの冒険)とあまりにもそっくりで。
絶対どっちかがどっちかをパクっている!と思った。

類似点その1、仲間たちがそれぞれの特性を生かして旅をするところ。
喧嘩っ早い仲間とか、頭がいい仲間とか、物語を語るのがうまい仲間とか…そっくり。

類似点その2、途中で別の群れと出会うのだが、彼らは人間に依存して生活していた…みたいなのが発覚するところ。
多少の犠牲者には目をつぶって、人間が与えてくれる食べ物で安穏と暮らしているフリをする。というのも両方にあった。

類似点その3、別の動物の助けを借りる。しかもどっちも鳥。これがかなり決定的。
鳥を助けることによって、最終的にはその手助けを得るというのも、まるっきりおんなじ。

ところが!さらにビックリしたことに、両方の作品がまったく同じ年に発行されているということが判明。つまり偶然の一致だというわけ。
1974年だったかな。
こういうのが流行る時代だったのか?
どっちもいい話だけどな。

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