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青柳いづみこ「ショパン・コンクール」

なんとなく手に取ってみた本なのだが、これが予想外に面白かった。
ノンフィクションである。

2015年に行われた「ショパン・コンクール」の進行を描くとともに、ショパンの生涯やショパン・コンクールの誕生とその歴史などをバランスよく配置した一冊。

作者はもちろんピアニストなのだが、コンクールの参加者一人ひとりの演奏を事細かに報告しており、聞いていなくてもどんな演奏だったかがわかるというのがスバラシイ。
これは聞く耳を持っているだけでなく、それを描写する能力がないとできない。
と思っていたら、この作者は「六本指のゴルトベルグ」の作者だったんだね。
なんか賞を取っていたはず。さもありなん。

ショパン・コンクールというとブーニンぐらいしか思い出せないわたしだが、中学時代に吹奏楽コンクールに出場したこともあり、音楽のコンクールがどんなものかというのは何となくわかる。
要するに「好み」なんだよね。ぶっちゃけて言うと。
ある程度技術的な部分をクリアできたあとは、どんな演奏が好きかという審査員の好みに左右されてしまうところがある。
それを作者も指摘していて、本来はショパンらしい演奏が評価されるべきなのだが、じゃあショパンらしい演奏って何?という基準が揺らいでいるというジレンマ。
本当に、音楽って難しいな。

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