« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »

若林正恭「ご本、出しときますね」

BSでやっていた番組の書籍化。
オードリーの若林が、いろんな作家二人と鼎談するという内容。

作家たちの赤裸々な一面が垣間見られて面白い。
これ、テレビで見たかったなあ。

とにかく、若林が思った以上に読書家だということがよくわかった。
登場している作家たちの作品はもちろんだが、それ以外の作品もよく読んでいる。
負けたかも…。
作家たちも一筋縄でいかないキャラクターで面白い。
ただ、角田光代だけはどうにも生理的に受け付けない感じだった。
九九ができないとか…なんかこう、エキセントリックな自分に酔っている感じがするんだよな。
そして、村田沙耶香も想像以上に変人だった。
やっぱりこのぐらいじゃないと、作家にはなれないのかもしれない。

| | コメント (0)

藤岡陽子「晴れたらいいね」

ラノベとかではありがちな、タイムスリップもの。
だが、そこにあるのはひらすらリアルな戦争の世界。

看護師の沙穂が夜勤をしているとき、とある入院患者のそばで地震に襲われる。
沙穂が目覚めたときにいたのは自分の病院ではなく、野戦病院だった。
沙穂は入院患者だった老婆の過去にタイムスリップしていたのだった。
太平洋戦争末期のサイパンで、沙穂は仲間の看護師たちと励まし合いながら、何とか生き抜こうと努力するのだが、戦況は悪化するばかりで…。

現代的な知識が役に立つということもなく、看護師としての経験が生きる場面もあるがそれがメインでもなく、むしろ現代人の「生に対する考え方」が、当時の人たちに影響を与える、というところが主眼かもしれない。
「晴れたらいいね」は沙穂が歌うドリカムの歌。
最初はみんな「へんな歌だ」と笑っているのだが、段々その歌で励まし合うようになる…という泣けるエピソード。

最後がちょっとうまくいきすぎな感じがなくもないが、途中が結構悲惨なのでこのぐらいはサービスしてもよかろう。

| | コメント (0)

飛浩隆「自生の夢」

SF作家というのは、生まれながらにしてSF作家なんだろうな。
素人がいくらSF的な発想を思いつこうとしても、それはラノベレベルであって、本当のSF作家の発想に及ぶことは絶対にない。
というぐらい、突拍子もない設定のSF短編集。

かろうじて理解できたのは最初の話ぐらいなのだが、何やら理解不能なものに浸食されてしまってほとんど人間が存在しなくなってしまった世界で、「音」で水際に呼び寄せたものでかろうじて生き延びている人たち。
だがその小さな世界も、浸食されていなくなったはずの「夫」が妻を探すために呼び寄せられてきてしまったために、たちまち崩壊へと陥る…。
という、わかったようなわからないような話。

それから、生まれながらにして考えたことを詩として紡ぎ出すことができる装置が存在する近未来において、世界最高の詩人と呼ばれた少女の運命を描いた連作集。
これもしくみがまったく理解できんくてな…。
これを読むと、少なくともSF作家にはなれないと思うわ。

| | コメント (0)

« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »